──シュッと音がして扉が開く。
「綾波、元気かい?」
反応がない。
ちょっとまずいかなっと身構えて、大佐は様子を窺った。
無機質な病室。広い部屋にベッドは一つ。
少女は肩にまでシーツを被っていた。体は仰向けだが頭は窓へと向けられている。
「……なぜ」
長くかかって、ようやく彼女は言葉を発した。
「なぜ……わたしだけ仲間はずれなの?」
「いやぁ……ええと」
「そう……わたし、もう用済みなのね」
「そそそ、そんなんじゃないって! ほらっ、一応ジャイアントって形で」
「あれはわたしじゃないもの」
「すみません……」
「謝るだけなら、猿でもできるわ」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
シンジは、仕方ないなと人を真似た。
「君は、なにを望むの?」
にたりと彼女の口がいやらしく歪んだ。。
ミステイクス / 計算違い3
「ひゃああああ!」
正面から走ってくる男を見つけて、コウゾウは思わず廊下を走るなと叫びかけた。
「大佐!」
「ああっ、司令に副司令! かくまってください!」
通路を曲がってそこにあった部屋に飛び込む。
なにに追われているのかと二人が目を戻すと、トタトタと走ってくるレイの姿があった。
「なにをしている、レイ」
「司令」
レイは立ち止まると、ゲンドウを見上げて率直に訊ねた。
「大佐はどこですか」
「…………」
「失礼します」
「待て」
「はい」
「話がある。食事にしよう」
「遠慮します」
「レイ!」
「すでに昼食はすませましたから」
「むっ、そ、そうか」
「それに」
「なんだ」
「髭、ウザイから」
「────!?」
「髭を剃ってくれたら、つき合っても良いです。じゃ、さよなら」
トタトタと走り行く。
聞いてしまったと言った顔で、そーっと部屋から出てきたツェッペリン大佐は、あのぉとショックを受けているゲンドウに代わり、コウゾウへと話しかけた。
「司令、もしかして綾波のことが?」
「んんっ」
ごほんと咳払いをする。
「そういうものではないよ……。こう見えても彼女を引き取って以来、ずっと面倒を見てきていたのだから、そういう類のショックだろう」
「はぁ……。でもまあよかったですね、司令」
「……なんだ」
「髭剃ったらつき合ってくれるそうですし」
「…………」
「……なにか伸ばしてる理由でもあるんですか?」
彼はその答えを聞けなかった。
「……碇」
「なんだ」
「ユイ君への気持ちはわかるが、願掛けに髭というのはやはり……」
「ふ……わたしの愛は揺るぎませんよ」
「なにが愛だ。変質者め」
「疲れた?」
「いいえ」
ほのぼのと歩く二人である。
少年の両手には紙袋が、背中にはリュックが、中には菓子折が詰まっていた。
そしてエイカも似たようなものであった。ただし背に負っているのは菓子折ではなく、赤ん坊であるが。
「作戦部に保安部に……課って区分だと結構あるんだね」
「これからおつき合いしていくんですから、ちゃんと挨拶はしておかないと」
「だね。挨拶回りは人が社会で生きていくためには必要な儀式だよ……っと」
正面からとたたと走ってくる少女が見えた。
「綾波だ」
「ほんとですねぇ」
とたたと駆け寄り、そのままシンジに抱きつこうとする。
これをシンジはさっと身を翻して回避した。
すざざと迫力もなく滑るレイ。
数秒してからむっくりと起きあがり、ぱんぱんと全面の汚れをはたいてから振り返った。
「どうしてそういうことするの?」
「妻帯者だから」
レイはむぅ〜〜〜っと目を細くしてじっと見た。
じっと見て、ようやくわかったのか普通に戻った。
「碇君は?」
「君の碇君なら発令所にいたよ?」
「そう……じゃ、さよなら」
「はいはい」
今度はぱたぱたと走っていった。
「……さよならって、これで遭遇四回目だね」
「その度に間違ってますね」
「どうも綾波って、エイカよりもずっと気配を頼ってるみたいだからね」
「目で見るとこんなに違うのに」
「でもエイカも酷いよ? 兄さんに無防備になり過ぎてる」
「心配?」
「妬いてるんだよ」
そのころ大佐は、リツコの部屋に逃げ込んでいた。
「まいったぁ! いやほんとまいりましたよ」
お茶を与えるリツコである。
「コーヒーで良いわね」
「すみません」
「その様子だと、スポーツドリンクの方が良さそうだけど」
「はぁ……でもなんで綾波って、ああなんですかね」
くすくすとリツコは笑った。
「いいんじゃない? 若い子にもてるなんて」
「毒ですよ、俺にとってはね」
「そう?」
「そうですよ。禁断の果実って奴です。手を出せば牢獄行き。シャレになりませんよ」
「あら? じゃあ問題なければいただくわけね」
「熟れてる果実が目の前にあるのに、なんでわざわざ青くて渋いのをかじるんですか?」
「口説く気?」
「フリーじゃなかったですか? 博士って」
「あなたがフリーじゃないでしょう?」
「いやそうなんですけどね」
笑ってごまかす。
「正式に結婚しないの?」
「戸籍の問題でね、できないんですよ」
「保証はツェッペリン財団がしてくれてるんでしょう?」
「でも遺伝子検査の結果、俺とあいつって兄妹の可能性が高いらしくて」
「そういうこと……」
「はっきりとはしてないし、それに俺もあいつにも兄妹がいたなんて記憶はないし。でも万が一とか口にされると、どうもね」
「それでも愛し合ってるのね」
「同志……ですから」
「同志?」
「一緒にね……。生き抜こうって約束したんですよ。だから同志」
「なるほどね」
「でもそういう関係って、下手な男女関係よりあれだったみたいで……。別格なんですよね、あいつは。だからどうしても失いたくない」
「それで内縁の妻ってわけね」
「まあ子供とか家庭とか、お互いそういうものに夢とか希望は持ってないんで、これでいいかなって感じなんですけどね」
「その奥さんからメールが届いたわ。弐号機の起動試験に成功したって」
「へぇ……」
「さっそく司令が交渉してるわ」
「引き渡しですか? 応じてくれるかなぁ……」
「渋ってるそうだけど……」
「支部長がかなり権力欲の強い人なんですよねぇ……。この間の戦闘もできすぎなくらいうまくいっちゃいましたし」
「理由が弱いわね、確かに」
「でしょう? 交換条件くらいは用意しないと、無理かも」
「面白くない話ね」
「そうですか?」
「それはそうよ。零号機は起動実験に成功しているとは言え、戦闘用の仕様じゃないし、パイロットも向いてないし」
「あれだけ元気なのに……なんで入院させてたんです?」
言えるわけないか。ツェッペリン──シンジは知っていながら口にしていた。
数週間前の零号機起動試験時に、一時エヴァからの浸食によって暴走していた。
きゃあっと彼女の悲鳴が実験場に響き渡った。彼女の意識をトレースしたのか? 零号機が身もだえ暴れた。
一体なにが起こっていたのか? それはレイ本人と、話を聞いた彼だけが知っていることだった。
精神接合が成った瞬間、シンジの知る世界の綾波レイの意識──魂が、エヴァという媒体を通して、こちら側のレイに接触したのだ。
そのまま浸食して、乗っ取ったというのだ、彼女は。
零号機は即座に制御下に、正常な状態での起動に戻ったものの、危険視されて半ば封印という憂き目にあってしまっている。
レイもレイで、どこか別人のように変わってしまっている。これが原因で、彼女は調査に検査と、病院に隔離されていたのである。
(外は同じでも、中身は別人だもんな……)
ずずっとリツコの言い逃れを聞き流しながらコーヒーをすする。
「あ、そう言えば戦自の例のあれ、明日やるそうですけど……ほんとに行くんですか?」
「あなたもよ」
「俺も?」
「そうよ……半分はあなたたちのせいなんだから」
「俺たちって?」
ふぅっとリツコは嘆息した。
「あなたと一緒に提供されたドイツ軍の機甲部隊。あれだけの戦力を見せつけられれば戦自としても政府を安心させなくちゃならないでしょう?」
「張り合おうって言うんですか? ばかばかしい……」
「そんなに自信があるの?」
「基本的な思想の違いですかね? うちの機甲部隊は使徒に対抗するのが目的で、対費用効果なんてもんを度外視して準備されたものですよ。その点ではエヴァと同じです。対して戦自は使徒に対する殲滅兵器を作ったなんてうそぶいてるんですよ?」
「どう違うの?」
「大違いですよ。いいですか? 使徒に対抗するってだけならなんとでもできるでしょう? 勝つまでにはいかないけれども、張り合うことはなんとかできる」
「なるほど……N2爆弾を落とすだけでも十分だものね。じゃあ殲滅は?」
「エヴァのようなものですよ。倒すためにはより大きな危険……接近戦なんかもこなさなくちゃならなくなる。その場合問題になるのは危険度です、これは飛躍的に増大します」
「ATフィールドがないとやってられないわけね」
「その通りです。で、話を戻しますと、ATフィールド付きの使徒を足止めできるだけの攻撃力を持った機甲部隊と、ATフィールド付きの使徒を倒せはしても、ATフィールドを持っていない殲滅兵器。どっちがより上かって言うと、考えるまでもありませんね。こっちにはATフィールドを持った化け物を押しとどめられるだけの武力があるんです」
「戦略思想というの? そういうのを」
「いえ、もっと単純です」
「なに?」
「エヴァがあるかどうか、それだけの話ですよ」
「エヴァが?」
「はい。俺たちは後をエヴァに任せられる。だから適当に退却できるし、そもそも安全距離から仕掛けられる。あっちは最初から背水の陣です。この差はとんでもなく大きいんですよ」
─Bパート─
バラバラとうるさい音を発してヘリが飛ぶ。
その中では膝の上の箱からひよこまんじゅうを取って口にしているミサトが居た。
「むーぅー、うまいわねこんちくしょう」
なんですと、大佐はそっとリツコに尋ねた。
「シンジ君のおみやげよ」
「シンジの?」
「ええ」
今日の資料を表示していたノートを閉じる。
「各課に挨拶して回ったらしいわ」
「へぇ……しっかりしてるなぁ」
「さっすがひよこまんじゅう! 旧東京のまぼろしの銘菓って言われるだけのことはあるわね!」
「……なんでやけっぱちなんです?」
「夫婦仲むつまじく挨拶されればね……ミサト、もうすぐ三十だから」
「うっさい!」
「ああ、焦ってるんだ」
「そこもうっさい!」
「じゃあいいかげんにやめなさいよ、ヤケ食いなんて」
「だって!」
がさっと三つほどつかんで一度に包装を破く。
「やってられないじゃないのよ! 実際!!」
「いいじゃない……それが理由で、戦うことを了承してくれたんだから」
「でもやっぱり見てると腹が立ってきてしかたないのよ!」
だめだこりゃと、大佐はミサトを無視することにした。
「お、着いたみたいですね」
「旧東京跡地……」
「今の戦略自衛隊本部基地、ですね」
眼下に旧皇居を中心とした、六キロ四方の建物群が存在していた。
その外側は荒れ果てている。セカンドインパクト以降に落とされたN2爆弾によって、東京は半分以上が荒廃していた。
戦略自衛隊はその放置地区に、旧皇居を中心として基地兼軍事工場を開設していた。
放置されているのを良いことに、毎年無造作に拡張を行っているのだ。その結果が六キロ四方という巨大建造群だった。
「一体どこで何が作られているのやら」
「不気味な話ね……」
ヘリは指定のヘリポートへと、その機体を傾けた。
「来おったな、ネルフの馬鹿ものどもめ」
基地の南端にある試験会場。
そこはショックアブソーバー付きの装甲板によって地面が覆われている場所だった。
東西に五百メートル。南北に二百メートルあり、南側はそのまま液状化しているむき出しの地面へと繋がっている。
男がいるのは西側の建物だった。エッグ型の建物で、内部は五層になっている。
その三層目にあるVIPルーム。緊張しているのは彼に呼び出された三人の子供たちであった。
「いいか。今回の模擬戦闘はソ連軍の協力の下に行われるものだ。ソ連軍が保有するというドイツ軍の正規採用兵器。これが相手だ」
『はい!』
三つの声が綺麗にそろった。
「中には先にネルフ本部が投入した最新兵器も存在している。気を抜くなよ」
代表して黒い肌の少年が声を発した。
「お任せください!」
「よし! 行け!」
『はい!』
のほほ〜〜〜んとしている大佐である。
「神経太いんですね……」
「どうせ人ごとですから」
会場はエッグ型の建物の二階部分に設置されていた。
窓からは直接戦闘を眺めることができるようになっていた。広いホールには立食形式で様々な飲食物が用意されている。
早速とばかりに招待客がオペラグラスを覗いて、居並んでいる機体の数々を確かめていた。
「ねぇ……あれってソルティックじゃないの? あの緑色のバッタ頭」
オペラグラスを外して、ミサトはリツコに尋ねた。
攻撃ヘリや装甲戦車の後方に、三機の人型兵器が待機している。
深緑色の装甲。頭部がそのままコクピットになっているらしい。特徴的なのは頭の上の二本のアンテナだった。
全高は九メートル強。左右の肩にシールドが装備されている。背部のバックパックの右側には、八連ミサイルランチャーがセットされていた。
「なんであんなのがソ連にあるのよ?」
「どこかで捕獲したとか、そういうのでしょ」
「それを提供するってことは、今回の兵器、ソ連に流れることになるんじゃないの?」
「心配したって仕方ないですよ。ネルフは軍事的な緊張とは関係ないところにいるんですから」
「でも動員や協力要請によっては、ネルフが引き金になりかねないんですよ?」
「そん時は……そん時でしょう。この間ので使徒が本当にサードインパクトを引き起こす存在なのかって議論まで沸いてますからね。あれはただの生物兵器か何かじゃないのかって」
「あんなものどこが作るっていうんですか……」
「似たようなのがネルフにある以上、他にも作ってる連中がいるかもしれませんよ?」
「…………」
「ま、そんなこんなで多少の足の引っ張り合いはできるんだってことになってるんでしょうね」
『それではご覧ください。戦略自衛隊第八開発局制作。最新鋭『格闘』戦艦、トライデントです』
おおっというどよめきが起こった。
遠くにある液状化している大地が割れ、そこから徐々に一隻の船が浮上してきたのだ。
半ば泥を被りつつ、それを落としながら体を陽光にさらし輝かせる。
先端に向かってすぼむ形の胴体。左右にマニュピレーター。下部には足が生えていた。
「……なんだか」
「なにかを彷彿とさせる登場シーンね」
「触れないでおきましょうよぉ」
でーんでーんででーん、でっでっ、でっででーん♪
バックに音楽が流される。ご丁寧にも『ヤ○ト』と歌詞付きだった。
「……ますます否定しがたくなってきてるわね」
「……追及してみたいところね」
「……だからほっといた方が幸せなこともありますって」
『それでは』
演壇より声がかかる。
『格闘戦艦トライデント。全長約六十メートル。全幅は平均二十メートル。脚部展開時の高さは三十五メートル。脚部は基本的に接地を目的としたものであり、基本的にはイオノクラフトによる低地飛行によって運用を行うものであります』
その勇姿を見せようというのだろう。あらかじめ取り決められているらしいコースに乗って、飛行を始めた。
「音速の半分も出てませんね……出してないのかな?」
「イオノクラフトってだけでも驚異だけど……あれほどの出力をどうやって得ているんだか」
「荷電粒子を利用してるんでしたっけ?」
「そうよ。でもあのクラスの物体を浮かせるには相当な無理があるはず……その証拠に小回りが利いてないわ」
それでも模擬戦闘をこなせるだけのところにまでは開発が進められているのだろう。
それではという言葉と共に、待機していたソ連邦の機甲部隊が動き出した。
戦車隊が合計二十一車両。それが三つに別れて展開する。
中央の車両だけが遅いのは、両翼の移動を待っているからだ。
そして上空には背後を取ろうと戦闘ヘリ六機が移動している。
ソルティックは戦車隊にそれぞれ一機ずつ混ざり込んでいた。どうやら指揮官が搭乗しているようである。
七台の戦車に腕を振って急がせていた。
──戦闘が開始される。
正面に位置する七両の戦車が砲撃を開始する。ソルティックも膝をついて手にした銃を撃ち始めた。
ハンドリニアガンである。
両翼の戦車隊も足を止めて砲撃を行った。さらに後方から追い込む形で攻撃ヘリがミサイルを撃ち込む。
やりすぎなんじゃないの? 某作戦部長がつぶやいた。
パッと閃光が走った。発光元はトライデントだ。同時に飛来していた砲弾とミサイルが爆発する。
──対空レーザー。
続いて艦首部分が変形する。
一部が伸びて、持ち上がる。鎌首をもたげる、そんな印象であった。
頭へと変形した艦首の根本が左右に割れた。二本の端子が突き出される。
──雷光。
高出力のプラズマキャノンだった。一撃で正面に位置する部隊を蒸発させる。
「……ってちょっと待ってよ」
青ざめるミサト。
「殺しちゃったんじゃないの!?」
「……指揮官機以外は無人なんでしょう」
冷静にツェッペリンが説明する。
「それより……予想外だな、これは」
「ご自慢の機甲部隊の立場も危ういわね」
「脅かさないでくださいよ」
ひきつった笑みをリツコに見せる。
「しかし……こりゃ、総司令が黙っちゃいませんね」
──ネルフ本部。
発令所には、戦自からの回線で、この模擬戦闘の様子が送られて来ていた。
「戦自の開発局もあなどれんな」
「ああ……」
単純に目の前の兵器の破壊力に驚いている二人である。
「伊吹二尉」
「はい!」
「大ざっぱで良い。破壊力を割り出してATフィールドに対しどれほどの効果が期待できるのか出してくれ」
「わかりました……ええと」
手元のキーを忙しく叩いて映像からの出力を割り出す。
「出ました。メインモニターに映します」
そこには先の第三使徒のモデルが表示された。さらにATフィールドのフレームが重ねられ、プラズマキャノンの効力がモデルに加えられる。
「N2ミサイルほど……でしょうか? 行動不能には追い込めます」
「だがN2と違って連射が利くな」
「はい。これならN2のように地形をえぐり取ることもありませんから……」
問題がないわけではない……が、それでも格段に被害は減ると計算されていた。
「どうする? 碇……」
ゲンドウはふっと笑って捨て置くと言い放った。
「問題ない……この程度ではな」
「そうか?」
「先の初号機の動きを考えればわかるはずだ」
「そうだな……少なくとも、使徒はあのレベルには達するか」
「ああ。あの程度のおもちゃでは第四、第五使徒までが限界だろう。予算の都合もあるからな、倒してくれるというのならやってもらうだけだ」
一度有頂天になってからへこんでもらおう。
そんないやらしい発想に、子供の考えだな、とコウゾウは点を付けたのだった。