Episode:13D





「ただーいま」
 元気なユイ、ゲンドウは疲れきっていて口を開こうとしない。
「あらあら、賑やかねぇ?」
 奥から嬌声が上がっている。
「みんな居るのね?」
 シンジの部屋を覗く。
「か、母さん助けて…」
 部屋の中に、山のような荷物が担ぎこまれていた。
「あらあら、どうしたの?」
「あはははは、部屋の割り当てでぇ、ちょっとぉ…」
「シンちゃんと誰が相部屋になるかって…」
「当然私に決まってますぅ!」
 きゃーっとまたつかみ合いになる。
 部屋から転がり出るシンジ。
「あ、父さん…」
 ゲンドウが見おろしていた。
「シンジ、荷物の用意はできたのか?」
「へ?」
「早くしておけ、そう日にちは無いぞ」
「ちょ、ちょっとそれってどういうことだよ!」
 ゲンドウはユイを見た。
「あ、いっけない、みんなに言っておくのを忘れてましたわ」
 改めて四人それぞれを見る。
「ここじゃ手狭になるから、引っ越すことにしたのよ?」
「「「えーーーーーー!」」」
 シンジを除いて不満の声が上がった。
「せっかくシンジと相部屋になると思ったのにぃ!」
「でも広い家だったらそれもオッケーかなぁ?」
「シンジ様?、ベッドはシングルでも良いですよね?」
 一人だけ認められないらしい。
「だめよ、不純異性交遊は親の目の届かない所でしなさいね?」
「かかかかか、母さんっ、なに言ってんだよ!」
 うふふふふっと微笑むだけだ。
「まあせっかく荷物を運びこんだんですものね、今日は泊まっていきなさいな」
「「はーーーっい」」
 アスカとミズホがニコニコと返事を返した。
「泊まってって…、どこに?」
 シンジは身の危険を感じてしまった。






 カヲル…、カヲル?
 うきうきとはずんでいる声。
「レイ、どうしたんだい?、珍しいね」
 月は雲に隠れている、カヲルはどこかの家の中に立っていた。
 聞いて聞いて?、あのね、あたし達お引っ越しするんだよ?
 アスカとミズホも一緒なんだけどね、広いお家だといいなぁ…
 くすっと笑いを漏らした。
「楽しみだね」
 うん!
 空が晴れる、雲のすき間から姿をあらわす月。
 月明かりが差し込み、カヲルを浮き立たせた、そこはゲンドウと岸和田が暴れた、あの家だった。
「ほんとうに、楽しみだね」
 カヲルは意味ありげに笑みを作った。



続く








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