Episode:24 Take4



「あー!、シンジ様が帰って来ましたぁ!」
 どたばたとレイ&ミズホ。
「シンちゃん!、何かされなかった!?」
 …無言のシンジ。
「シンちゃん?」
 キッとアスカを睨む。
「アスカ、なにしたの?」
「ちょっと刺激が強かったかも」
 ふふんと挑発的に髪を掻き上げる。
「あーーー!、まさかキスしたとか!?」
 びくっとシンジ。
「ふええーん!、わたしとのデートの後に、他の女の子とそんなことなさったんですかぁ!?」
 違うわよっと、アスカが軽い調子でシンジを助けた。
「うそ!」
「ほんとよ?、それに近いことはしたけどね…」
 びくびくと脅えるシンジ。
「シンちゃん!」
「シンジ様!」
「な、何もしてないよ、ほんとだよ、僕は何もしてないよ…」
 恐がるシンジにラチが明かないと見たのか、レイとミズホはアスカに対象を切り替えた。
「アスカ!」
「アスカさん!」
「ちょっと驚かせただけだってば…」
 ひょうひょうとして家に上がり込む。
「だいたい、レイはシンジをバイトに連れ出す、ミズホは黙ってデートに出てく、あんた達に責める権利なんてないわよね?」
 ぐぬっとつまる二人。
「シンちゃん!」
「シンジ様!」
「何か言ってよ!」
「何とか言ってください!」
 二人に睨みつけられる。
「あ、あの、その…」
 ちらりとアスカを見る。
 …恐いよ。
 言葉を失うシンジ。
 くすくすと聞きなれた笑いが聞こえて来た。
「カヲル!」
「何がおかしいんですかぁ!?」
「いや、なにね…」
 薄く笑みを浮かべている。
「キスしたとかしないとか、大袈裟だね、君達は」
 その言葉にムキになる。
「キスのどこがその程度なのよ!」
 あー!、やっぱりしたんだぁ!
 あうあうと首を絞められ、あえぐシンジ。
「ふ…、僕はいつもBしているからね…」
 なにぃ!?
 シンジを含めた全員がカヲルを見た。
「ウソだ!、僕そんなことしてないって!!」
「そうよ!」
「シンジがするわけないでしょう!」
 ミズホは黙って、ぎゅうっとシンジに抱きついている。
 カヲルは一転、自慢気な表情から悲しげな顔に変化させていた。
「そんな、シンジ君まで否定するのかい?」
「え?」
 その真に迫った声音に、シンジは思わず該当するような記憶があるかどうか探ってしまった。
「裏切るんだね、シンジ君、君は裏切るんだね?」
「え?、え?、え?」
 だがいくら探っても、そんな覚えはどこにも無い。
「…カヲル君、夢でも見たんじゃ」
 そんな!
 カヲルはよよよっと崩れ落ちた。
「二人きりで、肌と肌をすり合わせ…」
 ごくっとシンジのノドが鳴った。
「一緒にお風呂にはいったじゃないか」
「ちゃー!」
「しゅー!」
「めーん!」
 アスカとレイとミズホの見事なコンビネーションが炸裂した。
 吹っ飛ぶカヲル、その背後にナルトが見える。
「…カヲル君、からかうのはやめたほうがいいと思うよ?」
 意識があるんだかないんだか分からないカヲルに語りかける。
 ぷりぷりと怒っている三人。
「…でもよかった、ケンカをやめてくれて」
 ほっとして、シンジは恩人の手を取った。
「さ、行こうカヲル君」
 シンジはバスルームへ向かった、カヲルに冷水をぶっかけるために。
「ごめんね?、でも僕には他に君を起こす方法を知らないんだよ、結果、カヲル君が風邪を引いたとしても…」
 わりと結構酷いシンジである。
 だがその適当さが、自分の身に不幸を呼び寄せることになろうとは、シンジはまだ気がついていなかった。
「広いお風呂…、貸してもらって良かった」
 などと、よもやマヤがシャワーを浴びているなどとは、想像すらしていなかったのだから。



続く







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