ドン!、ぐい!!
 それは一瞬の出来事だった。
 だけど当人達には、果てしなく永い道のりであった。
「シンジ!」
「シンジ様!」
「シンジくん!」
「シンちゃん!」
 あれ?
 女の子の声が四つした。
 シンジは唇を塞がれていた。
 塞いだのではなく、塞がれていた。
 ゆっくりと瞳を開く。
 どっきん!
 目の玉が飛び出るほど驚いた。
「ふふ…、ようこそ、薔薇の世界へ」
 離れていく唇。
「カヲル君…」
「シンジ君」
「カヲル君!」
「「「「いやああああああ!」」」」
 三人は半狂乱になって引きはがしにかかった!
「シンジ様、消毒、消毒ですぅ、ん〜〜〜!」
「って、どさくさに紛れてんじゃないわよ!」
「熱消毒!、ううんバイオハザード警報出さなくちゃ!」
「間に合わない、シンちゃんが緑色の液体になっちゃう!」
「「「「今はとにかく、病原体を!」」」」
 がしゃーーーん!
 窓を突き破り、月の中を一つの影がクルクルと踊った。
 ずべしゃ!
「なんだぁ!?」
 叩きつけられたカヲルに、奇妙な顔を向ける。
「なんや、渚やないかぁ?」 「まあそれはそれとして…」
 ぴんぽーんっと、ケンスケは業務用のカメラを肩にインターホンを押した。
「シンジー、いるかぁ?」
「おじゃまでぇす」
 ぶぎゅると足元で何かが鳴る、わざと踏み付けていくトウジ。
「ふふふ、それでも僕は幸せだよ…」
「気味悪ぅ…」
 トウジは自分のことかと誤解して鳥肌を立てた。
 狂乱はまだまだエスカレートしてくのであった。



続く







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新世紀エヴァンゲリオンは(c)GAINAX の作品です。

Q'Genesis Qnaryさんに許可を頂いて私nakayaが制作しているパロディー作品です。
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