NEON GENESIS EVANGELION
Genesis Q':time 55
「シンジ様ぁ!」
うわーんっと泣き付くミズホ。
「み、ミズホ?、どうしたのさ!?」
玄関口で抱き留める。
「アスカさんとシンジ様を賭けて勝負したんですぅ!」
「またぁ?」
げんなりとする。
「で、アスカにいじめられたの?」
「誰がいじめたのよ、誰が!」
奥から梨をかじりながら出て来る。
「アスカ…、ただいま」
「おかえり、…なんでレイと一緒なわけ?」
はたっとミズホも泣きやんでしまう。
「あ、それは、あの…」
じぃっと見上げるミズホ。
「カヲル君…、そう!、カヲル君に買い物に行こうって誘われて…」
「で、カヲルは?」
「ははは…、いないね?」
じとっとした目で睨まれる。
「ち、違うんだよ!、途中で薫ちゃんが来たから!」
「二人でふけて来たってわけ?」
「そうじゃなくて!」
「よかったわねぇ?、レイ…、シンジに遊んでもらえて」
「うん☆」
だあっと涙を流してしまう。
「れ、レイ…」
「うっさい!、あんたそれでなくてもあたしに電話もしないで、カヲルと一緒に出かけたんでしょうが!」
それを言われると立つ瀬も無い。
「そ、そっちだって!、また勝手に僕を賭けの賞品にしてさ!、今度は何をさせるつもりなんだよ!」
くいっくいっと服を引っ張られる。
「え?、なにさ…」
モジモジとしているミズホ。
「勝ったのはぁ、わたしでぇ…」
「じゃあ何で泣いてたのさ?」
またじわっと涙が溢れ出す。
「ちょ、ちょっとぉ!」
困った顔をアスカに向ける。
「知らないわよ!」
ぷいっとそっぽを向いて、がしっと梨をかじった。
なによバカ!
負けた事が悔しいのだ。
「ふええ〜ん、鈴原さんに、鈴原さんにぃ!」
「鈴原?、トウジがどうしたのさ?」
「見られちゃったんですぅ!」
「見られたって…、なにを?」
じっと見下ろす。
ミズホの胸元が見える。
すんと鼻をすすって、こくっと頷くミズホ。
「そんな…、どうして!?」
「アスカさんと…、アスカさんとの勝負に勝って、わたし嬉しくて…」
「うん」
「つい油断してしまいましたぁ!」
ふわああああーんっと泣き出す。
「そんな…、トウジ、どうして…」
誤解している。
レイはアスカに密かに尋ねた。
「覗かれたの?」
「ブラがめくれたのよ」
「あーーー…」
ふえええーんっと泣くミズホをシンジは抱きしめている。
「おもしろいかなぁ?」
「面白いかもね?」
ニヤリと笑うアスカ。
レイはじっと考えている。
「ミズホにデートさせるのとどっちがいいかな?」
「こっちでしょうね?」
二人はがしっと、手を組んだ。
●
その頃トウジは…
「許してぇなぁ、事故やないかぁ…」
アイスをペロペロと舐めるヒカリ。
その後ろでトウジは頭を下げている。
「ん〜、そう言えば映画の約束もあったかしら?」
海に行った後だからか?、いま髪はまとめていない。
「堪忍してぇな、わし破産するでぇ…」
とほほと後ろを着いて歩く。
ヒカリの後頭部に、お怒りマークが点灯した。
あ!
ピコンピコンとカウントしている。
焦るトウジ。
「すまん!、わしが悪かった!!、そうや!、コンサートも行きたい言うとったな?」
「ほんと?、行ってくれるの!?」
くるっと上機嫌でターンする。
「はぁ…、ワシも男や、付きおうたるわい」
パンッと手を叩き、ヒカリは嬉しそうに抱きついた。
「ありがと、鈴原!」
首に腕を回す。
「はぁ…、わしコンサートとか苦手なんやけどなぁ…」
ちなみに映画は恋愛物である。
「ああいうのは好かんのや…」
「でもこういうのは好きなんでしょ?」
ちょっとだけ照れながら、でも、ヒカリはトウジの頬にキスをした。
続く
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新世紀エヴァンゲリオンは(c)GAINAX の作品です。
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Genesis Q
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nakaya
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