NEON GENESIS EVANGELION 
 Genesis Q':Access56 


 翌日。
「これこれ、俺はこの時を待ってたんだよなぁ!」
 はしゃぎまくるケンスケ。
 駆け出し、カメラを構えようとするが、ジーッと言う視線に気がついた。
「は、ハルカちゃん?」
 ジトッと言う視線の後に来る、フッと言うさげすみの笑い。
「くっ!」
 トウジは!?
「はい、鈴原…」
「ひ、ヒカリ!、その…、サンオイル塗ったろか!?」
 二人の世界に入っている。
 だめか…
 ケンスケはがっくりと肩を落とした。
「…遊ぶ?」
「うん!」
 ハルカは機嫌よく、ケンスケの手を引っ張った。


 気持ちいいなぁ…
 そんなケンスケの苦悩を余所に、シンジは海に浮いていた。
「でもアスカのワンピースって、初めて見たな…」
 ちらっと横を見る。
「なによぉ、嫌らしいわねぇ…」
 冗談っぽく、半分水から出ている胸を隠した。
「ねえ、どうして今年はワンピースなの?」
「あ、あたし知ってるぅ!」
 浮き輪を被ったレイが手を挙げた。
「アスカ巨腹モードに入ってるのぉ!」
「誰が太ったのよ!」
 殴りに追いかける。
「当人比1.2倍なんですぅ」
「嘘付くんじゃないわよ!」
「「きゃーーー!」」
 迫るアスカにレイは足で、ミズホは手で水のバリアを展開する。
「逃がすもんですか!」
 アスカは潜ると、ミズホの足を引っ張った。
「ごぼ!」
 一瞬沈むミズホ。
「げほ、ごほ、酷いですぅ!」
 再び浮き上がって抗議する。
「あ、ミズホ、だめだ!」
「ふえ?、あ!」
 両手をばたばたと振って慌てるシンジ。
 ミズホのブラがまた取れている。
「きゃー、ですぅ!」
「ふん、見えはってあたしの水着なんて着るからよ!」
「なんだ!?」
 ケンスケはシャッターチャンスか!?っと、カメラに手をかけ悲鳴の原因を探ろうとしたが…
 ジーーー…
「ごめんなさい…」
 シクシクと砂のお城造りに真剣になる。
「ミズホやめて、しがみつかないで、溺れちゃうよ!」
「やですぅ!、離れたら見えちゃいますぅ!」
「だからって押し付けてんじゃないわよ、あんたわ!」
「レイも助けてよ!」
 えー?っとレイは頭をかいた。
「あたし水の上じゃ無力だからぁ…」
「この役立たず!」
 ミズホを羽交い締めにするアスカ。
「シンジ、逃げなさい!」
「うん、じゃあミズホ!」
 バシャバシャと泳いでいく。
「はうーん!、シンジさまぁ!」
 何を求めているのかよくわからないが、とりあえず二人の世界に入っていたトウジが、再びヒカリに殴られていた。






「シ〜ンジぃ?、まったくあのバカ、何処まで逃げたのかしら?」
 岩場の方を探して回る。
 わりと高低差があって、アスカはサンダルじゃきついわねっと後悔していた。
「きゃ!」
「危ない!」
 不意に後ろから腕をつかまれた。
「シンジ!?」
「こんな所でこけたら、切っちゃうよ?」
 シンジはぐいっと引き寄せた。
「あん!」
 あくまでも不可抗力だったが、アスカはシンジの体にしがみついてしまった。
「あ、アスカ!?」
「な、なにやってんのよ、もう!」
「ごめん!」
 助けたのはシンジだし、助けられたのはアスカなのだが、なぜだか立場が逆転してしまっている。
「まったく…」
「あの、アスカ?」
「なによ…」
 シンジはモジモジと体を動かした。
「その…、もう大丈夫だからさ」
「だから?」
「離れて、くれないかな?」
 アスカはニコッとシンジに微笑む。
「嫌よ」
「え?」
「い・や・☆」
「ちょっとアスカ!」
 体重を預けられてふらついた。
 痛っ!
 どっと倒れ込んだ岩肌で、背中に傷がついてしまう。
 でも!
 シンジは左膝を立てて岩壁になんとかもたれかかっていた。
 腕はアスカの体に回してしまっている。
 アスカ…
 こうしなければ、アスカの体が傷ついていただろう。
「人目のあるとこじゃ、嫌でしょ?」
「うん…」
 甘える声に、つい本音を漏らしてしまう。
 アスカはシンジの膝に腰かけて、肩口に頭を寄せ掛けた。
「シンジの体、あったかいわね?」
 うわぁあ!?
 心臓がドキドキする、アスカの水着はワンピースだが、横が結ぶようになっているため、どこに手をやっても肌に触れてしまうのだ。
「あん!」
 アスカのエッチな声にシンジは慌てた。
「ご、ごめん!」
「じっとしてなさいよ、まったく、スケベなんだから…」
 クスクスと漏らす鼻息がシンジをくすぐる。
 そんなこと言ったってさぁ!
 水着のみだ、下に変化が起きればすぐにバレてしまう。
 レイの裸には焦りと驚きを感じた。
 ミズホが見られた事には憤りを。
 でもアスカには…
 興奮を感じてしまう、柔らかで滑らかな肌。
 だ、ダメだ!
 必要以上に意識してしまう。
「…でも、間に合って良かったわね?」
「何がさ?」
 シンジは意識を別に向けようと懸命だった。
「海よ、海!、もう少し遅かったら泳げなかったじゃない?」
「でも泳ぐなら、プールだって…」
「プールじゃ、こういう事はできないでしょ?」
 思い出させないでよ!
 シンジは意味もなく天を仰ぐ。
 確かこうよね?、ヒカリの手綱の握り方って…
 一応学び取ってはいたらしい。
 アスカは更に誘惑した。
 助けて、誰か助けてよ、カヲル君!
 ついなぜだかカヲルの名前を呼んでしまう。
 こいつ、ほんとに落ちつかないわね…
 密着した状態を楽しむアスカ。
 でもバカでもいいわ…
 くすっと微笑む。
「いいから、ちゃんと抱き返してなさいよ…」
「あ、うん」
 シンジは言うがままに腕を回す。
 どんなことがあってもいい、こいつと二人で生きていこう…
 なぁんちゃって☆
 そんな自分に「ひゃー!」っと照れながら、アスカはいつ目前の首筋にキスの痕を付けてやろうかと考えていた。



続く







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