NEON GENESIS EVANGELION 
 Genesis Q':57 


「どうかした?」
「あ、ううん、別に…」
 シンジは気のせいかなっと首を傾げた。
「それでね?、マユミがうるさくって…」
「そう…、でもだめだよ」
「え?」
「残念だけど、貸してあげられない」
「ええ!、どうしてぇ!?」
 身を乗り出す、ついでにカレーを取り上げる。
「シンちゃんまで意地悪するのぉ!?」
「ち、違うよ、そうじゃなくて…」
 返してよぉっと、スプーンを口に当てる、それも取られた。
「シンちゃんもまだやってないのよね?」
「「レイ!?」」
 はぁいっと、立ったままでバナナサンデーをぱくついている。
「レイ、またつけて来たの?」
「誤解だってぇ、あたしおやつにはバナナサンデー食べるの、知らなかった?」
「初耳だよ…」
「油断してるとぉ、女の子って知らないことだらけになっちゃうから」
「自分で言っちゃうのね…」
 ま、ここで食べるのは初めてなんだけど。
 大事な事は都合よく隠している。
「それで?、レイは随分余裕があるじゃない…」
 ニヤリと笑う。
 ま、考えてることは大体分かるよな…
 シンジに分かるほどだから、相当分かりやすい顔だ。
「あー、だめだめ、あたしもダメだからね?」
「なんでよぉ?」
「だってまだしてる途中なんだもん」
 えっへんと胸を張る。
「レイが?、そう言うタイプに…、見えるね?、ギリまでねばってそう…」
「ひっどい!、今年は特別!」
 レイは強引にシンジの隣に場所を取った。
「レイさ、ほら?、途中からクラス変わって来たでしょ?」
「そう言えば、そうだっけ?」
 何気にカレーを一口食べる。
「それで今一緒にね?」
「シンちゃんに教えてもらってるのぉ!」
 抱きつき攻撃。
「やめてよ、もう!」
「ケチ…」
「でもシンちゃんが教えてるって、珍しいんじゃない?」
 マナはカレーをパクつきながらシンジを見上げた。
「酷いよ…」
「だっていっつも、レイとかアスカに徹夜でやらされてたんでしょ?」
「う、まあ…」
「いいじゃない、楽しいんだもん」
「楽しくないよぉ…」
 窓際に追い詰めるようにシンジに抱きつく。
「そ・れ・に、あたしだって眠いの我慢して付き合ってあげたんだから!」
「…感謝してるけど」
「ほんとに?」
「うん」
「じゃ奢ってね?、あ、バナナサンデーを追加お願いしまあっす」
「うう…」
 ちょっと泣きたくなる。
「そう…、でもシンちゃん、間に合うの?」
「僕はね?、…多分だけど」
「多分〜?」
「間に合うって、あたしも一緒だし」
「違うね?、それは僕の出番じゃないのかい?」
「カヲル君!?」
 シンジは顔を手で被った。
「…カヲル君は何をしに来たの?」
「偶然通りがかってね?、良く見るとシンジ君が見えたから、…お邪魔だったのかい?」
「そんなことはないけど」
「よかった、…座ってもいいかな?」
 マナに尋ねる。
「やだ」
「そう…、なら君には必要ないね?」
「なにが?」
「完成した宿題だよ」
「終わってるの!?」
 瞳がキラキラと輝き出す。
「まあね?」
「どうぞ、どうぞ…、あ、何か頼みたいものある?、奢ってあげるぅ、なに?、シンちゃん」
 物欲しげにじっと見ている。
「変なの?」
 何気にパクッと口にする。
 あ〜あ…
 カレー、無くなっちゃった。
 ちょっとがっかりしてしまうシンジであった。


「うう…、シンジさまのカレーがぁ…」
「自業自得でしょうが…」
 柱の影で泣くミズホに、アスカはさらっと突っ込んだ。
「あ、出て来たわよ?」
「うぅ…」
 ミズホは涙ぐんでいる。
「シンジ!」
「アスカ…、ミズホ?」
「あ、はは!、コンビニに行く途中なのよ、あんた達は何を…、ってこら!」
 ミズホうるうるバージョン、ただし今日の相手はマナだ。
「な、なに?」
「シンジのさまの食されたカレ〜」
 あははははっと、頭を掻く。
「み、見てたのねぇ?」
「…アスカ、覗いてたんだね?」
 うっとなったが、開き直った。
「そ、そうよ!、悪い?」
「…悪いとは言わないけど」
「なによ?」
「入ってくれば良かったのに」
 この鈍感が!
 ちょっと拳を握り込んでみたりする。
「それで?、何の話しをしてたのよ!」
「え?」
「え?、じゃないってぇの!」
「聞いてたんじゃ…、ないんだよね!?」
 アスカの形相にちょっとびびる。
「えっとね!?、夏休みの宿題、早く終わらさなきゃいけないなぁって!」
「あ、そ…、ってあんたまだやってなかったの!?」
「うん」
 胸倉をつかみ上げる。
「うんじゃないでしょうが!、どうするのよ?、もう3日しかないじゃない!」
 慌ててシンジの手を引っつかむ。
「アスカ?」
「ほら帰るわよ!」
「え?」
「宿題!、しなきゃいけないんでしょうが!?」
「そ、それは、ねえ?」
 無謀ながら、レイに振ってみたりする。
「大丈夫よぉ、ちゃんとあたしと「二人きり☆」でやってるんだから…」
「そうだよ、それに最悪コピーって手も…」
「あんたバカァ?、宿題用のディスクってプロテクトがかけてあって、書き込み編集は出来るけどコピーはできないようになってんのよ?、知らなかったの?」
 ひきっと固まるシンジ。
 じゃあ手打ちで写すしか無いの?
 ちょっと事態に気がついたらしい。
「どうしよう…」
「大変…」
「「どうすればいいと思う?」」
 思わずユニゾンする二人に対して、ほんとにバカね…と言いたくなった。


「アスカとミズホは?」
「アスカはお風呂だって、ミズホは…」
「ここにいますぅ!」
 スパァン!っと、自分の部屋との敷居を開ける。
「ミズホ…、透けてるって」
「だってぇ、シンジ様とご一緒の夜、はう☆」
 ねぐりじぇバージョン。
 ちなみにシンジは、レイに両目を塞がれている。
「とにかく着替えるの!、それじゃあシンちゃんが集中できないでしょ!?」
「それってシンジ様がわたしを見つめてくださると言うことでしょうかぁ!?」
「シンちゃんが見ちゃうのは下着でミズホじゃないの!」
 酷いや…
 まだアスカにはたかれる方がマシかもしれない。
「早く着替えて、ほら早く!」
「ぶぅ!、ですぅ」
 すごすごと戻っていく。
「まったく、時間の無い時にぃ」
 シンジを解放してペロッと指を舐める。
「…なにしてんの?」
「濡れてたから、あ…」
 急に気付いて赤くなる。
 そっか、目を押さえた時に、指が唇に触れちゃって…
 うつむき合う二人。
「なにやってんの?」
 アスカは戻って来るなり、不機嫌そうな声を出した。







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新世紀エヴァンゲリオンは(c)GAINAX の作品です。

Q'Genesis Qnaryさんに許可を頂いて私nakayaが制作しているパロディー作品です。
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