NEON GENESIS EVANGELION 
 Genesis Q':58 


「ようい、ドン!」
 そのスピーカーからの声にアスカはスタートダッシュで反応した。
「このあたしの先を行こうなんて甘いのよ…、なに!?」
 うわあああ!っと、真っ直ぐに突っ込んで来る集団がいる。
「なに?、なんなの!?」
「居た!、惣流さんだ!」
「惣流さん!、俺をつかまえて下さい!」
「惣流さんのウサギ小屋にはぜひ僕を!」
「いやああああ!」
 アスカの倍の体躯はありそうな連中が迫って来る。
 両腕を広げて、さらには何を勘違いしているのか?、唇を尖らせて迫って来る者までいた。
「レイ、なんとかしなさいよ…、レイ!、って!?」
 見るとレイはレイで取り囲まれてしまっていた。
「ふえええ〜ん、アスカぁ!」
 しかしアスカとは少し毛色の違うグループにであった。
 レイを取り囲んでいるのはどこから沸いたのか本物のバニーガールだ。
「なんとかしてぇ!」
 それが男女入り乱れたハンターと共に、バニーボーイを牽制している。
「レイお姉様を絶対死守!」
 バニーガール達の耳についたヘッドフォンからは、誰かの指示が流れている。
 その声はマユミのものだ、彼女らはマユミと友の会のみなさんだった。
 もちろんマユミが運用するレイのファンクラブの一つである。
「迂闊だったわ…、まさか自分から進んで捕まりに来るなんて…」
「それよりアスカ、シンちゃんがぁ!」
 既に追うどころの騒ぎでは無くなってしまってた。


「え〜、碇シンジの傾向と対策はいかがっすかぁ?、あ、一部ね?、どうもう」
 ウサギでありながら、器用に販売しているケンスケ。
「500円ね?、っと」
 うまくペイント弾をひょいっとかわす。
「まいどー!」
 そしてまたピョンピョンと逃げていく。
「早く追うのよ!」
「でも先輩、本は手に入れたんですから」
 買い求めた子だ、ケンスケを襲った子とはグルらしい。
「バカね!、あいつを押さえないと、そんなの売りさばかれたらライバルが増えちゃうじゃない!」
「あ、そっか、そうですね!」
 シンジ、囮の役、しっかと引き受けたからな?
「あ、相田くぅん!」
「まいど〜☆」
 ケンスケはピョンピョンと跳ねていった。


「どうしても邪魔をするのかい?」
「動かないで!」
 スコープを覗きこんでいるマナ。
「マナとは敵になりたくなかったよ」
「この裏切り者!」
 マナの銃はエアガンではない、実弾がこめられている本物だ。
「僕は素直に生きてるだけさ…」
 浩一は不敵にニヤリとマナを笑った。


「全ては計画の内さ、さあシンジ君、君は僕が迎えに行ってあげるよ?」
 カヲルは校舎、給水タンクの上でのほほんと妄想にふけっていた。


 そしてシンジは…
「ありがと、ミズホ…」
「そんなぁ…」
 あのでかい着ぐるみで、ミズホはぐるんと丸くなっていた。
 さながらそれは巨大な肉まんにしか見えない。
「はうう…」
「どうしたの?」
「し、シンジ様のお顔が、こんなに近くにぃ…」
 シンジとミズホは、同時に赤くなって同時にうつむいた。
「恥ずかしいですぅ…」
「僕もだよ…」
「シンジ様の息が…」
「臭い?」
「そんな…」
 きゅっと抱きしめるミズホ。
「あ、あの…」
「動くと見つかっちゃいますぅ…」
 シンジはあろうことか、ミズホの着ぐるみの中にかくまわれていた。
「しかし校長室だぞ?、ここは…」
 応接セットの方でくつろいでいる加持。
 豪奢な机の下を二人に占領され、しかたなくこちらに座っているのだ。
「隠れる場所に制限は無いとはいえ、いやはや…」
 生理的に生徒はここを避けるだろう。
「だから面白いんだな、かくれんぼは」
 加持は本気で楽しんでいた。



続く







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