NEON GENESIS EVANGELION
Genesis Q':59
「綾波さぁん!」
殺到するバカウサギ達。
「僕を、僕を捕まえて下さぁい!」
レイの前に、ハンターの一団が隊列を整えた。
「構え!」
ペットボトルロケットを応用したバズーカで迎え撃つ。
「綾波さんを守るのよ!」
ファンクラブによって守られるレイ。
「シンちゃあん!」
「痛い痛い痛い!」
その足に踏まれまくっている懐かしのバニー鰯水。
カチッとな☆
「え?」
地面に隠れていた謎のボタンを押してしまった。
パァ!っと閃光が膨れ上がる。
ドカァン!
連鎖爆発。
グラウンドに爆風が吹き荒れた。
《
Genesis
Q'
》
第五拾九話
『
パラダイス・ロスト
』
ゴオオオオン…
小型のキノコ雲。
「なんだ?、今のは…」
グラウンドに視線を向ける浩一。
足元を伝わって来た震動を訝しむ。
「訓練用の地雷を埋めといたの☆、リモコン式で動き出す奴」
ゆっくりと笑みを浮かべる浩一。
「相変わらず聞き捨てならない事を言うなぁ…」
「そう?」
ジャキッと威嚇するようにライフルを構える。
「だいじょうぶよ☆、シンちゃんが逃げたのは確認してるから…」
「そう言う問題?」
浩一の余裕にはっとするマナ。
「渚君は!?」
姿が見えない。
「しまった!」
シャン!
追いかけようとしてできなかった。
ライフルの銃口が、ずれるように切れ落ちた。
「逃がしはしない、マナには償ってもらわないとね?」
ジリッとマナは気圧される。
「地雷に巻き込まれた人達をどうするんだい?、君のした事だと教えてあげれば、こちらも随分と楽になるからね?」
あわてて銃を捨て、こんどは何処からかショットガンを引っ張り出す。
「あたしのシンちゃんを狙うような不届き者よ?、擦り傷ぐらいは我慢してもらわなきゃ」
ドン!
問答無用の一撃、だが弾は吸い込まれるように何処かに消える。
「無駄だよ、それに銃を向ける相手が違うだろう?」
「違ってない!」
「僕はハンターだよ?」
「でも敵でしょ?」
くふふふふふっと漏すマナ。
「なるほど…、マナもまた手段を選ばないタイプか」
「もちろん!」
「でも無駄だったね?」
「え?」
シュッと、軽快な動きで誰かが駆け抜けて行く。
「この恨みは返すからね!」
レイだ。
「ああ!」
焦るマナに「べー!」っの攻撃。
「それじゃ、僕も後を追うから失礼するよ?」
「くっ!」
バゴン!っと二発目が発射される。
しかし浩一の姿は薄れて消えた。
●
はぁ、はぁ、はぁ…
「まったくもう!」
アスカは教室を一つ一つ覗いていた。
「ねえ居た?」
「いない、何処に行ったのかしら?」
真実を知れば不本意と考えるだろうが、アスカは「謎の爆発」によってなんとか危機を脱していた。
「鰯水君…、どこに行っちゃったのかしら?」
シンジはアスカのものと言うことで、共同で探索作業を行っているのだ。
「あいつほんとに参加してるの?」
「うん、鰯水君ね?、今度また雑誌に出るんだって!」
何が嬉しいのか分からない。
「はあ…、なんであんなのがいいんだか…」
「それは惣流さんもじゃない?」
「はん?」
「ねぇ…、渚くんって、どう?」
予想外の名前が飛び出した。
「もう!、だってあのルックスに声!、それに冷たい感じがするのに結構お茶目で…」
お茶目?
あれはお茶目と言うのだろうか?
地よね、絶対。
「ね?、やっぱり女の子として放っておけないじゃない?」
何が「ね?」なのだかわからない。
なに考えてるのかしら?
妄想状態に突入してるし。
「渚くん!、惣流さん…、いけないわ、あたし達にはシンジが…、シンジ君なんて隠れ蓑さ?、それは君も同じだろうって、きゃあ、もう嫌ぁん☆」
くぅ、
燃えるぅ!
「バカ…」
知らないって事は幸せなのかもしれないわね?
だからカヲルの実体を伏せておくアスカであった。
●
校舎裏、こちらには動物小屋や花壇などがある。
カヲル…、聞こえてるんでしょ?、カヲル!
言葉ではない、わずかな反応が感じられた。
…レイかい?
さっさと返事してよもう!、何処に居るの?
からかうような返事が返る。
みんなの手の届かない所さ…
「ふざけないで!」
いきなり叫んでしまったために、みんなの視線が集中する。
もう!、恥かいちゃったじゃない!!
苦笑する感じが伝えられる。
それは君の勝手だろう?
くっ!
ハンターに居場所を教えると思うのかい?
もういい!、それで?、今なにしてるの!?
レイはなんとか情報を引き出そうとする。
…そうだね?、今ちょうどシンジ君とシャワーを浴びて抱き合ってた所さ。
うそ!?
シンジ君って肌がすべすべしてるんだね?、え?、僕もって、嬉しいよ、シンジ君…
カヲル!
殺気を混ぜるレイ。
…邪魔しないで欲しいね?
いま更衣室に居るのね!?
更衣室?
シャワー浴びてるんでしょ!?
ユニフォームを脱ぐと失格になるんだよ?
え?
混乱した。
シンジ君と織り成す愛の一時、失敗しないためのシュミュレーションは大事だからね?
紛らわしい言い方しないでよ!
今度こそ干し殺す!っと、何かに誓う。
シンちゃんは!
さあね?、僕が教えると思うのかい?
カヲルと一緒にいないってわかっただけでも収穫はあったわ。
「
うわあああああ!
」
「シンちゃん!?」
突如直上辺りから悲鳴が聞こえて来た。
あそこは…
「校長室!」
誰よりも早く当たりをつけて、レイは急いで駆け出した。
●
「あれ?、ここはどこ…」
不安そうに、シンジは当たりを見回した。
干し草のベッド、水の貯えられたタライ。
それにレタスやニンジンの入ったバケツ。
それにしても暗いや…
自分の身体を抱きしめる、なにも身につけてない。
「シンジ様…」
「ミズホ?」
闇の中に浮き上がる白い人影。
その身体は白い体毛に大事な部分が隠されている。
「ここは?」
「シンジ様とわたしの愛の巣ですぅ…」
恥じらうように身をよじる。
「ああ、そっか、そうだったね?」
シンジは自分の「長い耳」を引っ張った。
離すとピョコンと反動で戻る。
「ミズホ…」
「はい?」
「僕たち、つがいなんだよね?」
「はいぃ…」
間近くに立つと、見下ろさなければいけなくなる。
「ミズホ…」
手を頬に添える。
「はう…」
目を閉じるミズホ。
「そしてシンジ様は、シンジ様はぁ〜〜〜☆」
机の下から、ホワホワとハートがいくつも放射されている。
ミズホ暴走中
。
「良いのか?、シンジ君…」
「何がですか?」
本物のシンジは加持とコーヒーを飲んでいる。
「今頃、みんなが探してるぞ?」
「ここは安全地帯ですし、のんびりさせて下さいよ…」
シンジはコーヒーを含もうとした。
ガブ!
「わあああああ!」
寝ぼけたミズホが噛みついた。
頭をガジガジかじられる。
「痛い痛い痛いってば!」
「シンジ様が野獣のごとくぅ〜〜〜☆」
バン!
いきなりドアが開けられた。
「シンジ!」
「うわっ、見つかった!?」
そう言えばミズホちゃんは参加していないんだな?
加持は今頃思い至った。
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新世紀エヴァンゲリオンは(c)GAINAX の作品です。
Q'
は
Genesis Q
の
nary
さんに許可を頂いて私
nakaya
が制作しているパロディー作品です。
内容の一部及び全部の引用・転載・加筆その他の行為には
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さんの許可または承認が必要です、ご了承ください。
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