NEON GENESIS EVANGELION 
 Genesis Q':68 


「いたぁい…」
「うん…」
 仲良く頭をさするシンジとレイ。
「いやらしいわね、何やってたのよ!」
 登校中。
「もう!、ミズホが朝稽古に遅れそうじゃなかったらどうなってたか…」
 もちろんシンジに挨拶に行って…
「だってぇ…」
「あんたまた抜け駆けしたんでしょ!」
「違うって…」
 珍しくシンジが否定した。
「ち、違うって…、あんた」
「夕べ話したい事があったからさ」
「そう…、そうなのね?」
 顔を伏せる。
「アスカ?」
「あんた達、もうそんな関係」
「ち、違うよ、何言ってんだよ!?」
 むぅ…
 レイは状況を読んでいる。
「いいのよ、あんたが決めたんなら、しょうがないわよ、レイなら、あたしも…」
「違うって!、だから昨日はレイに色々聞かれてさぁ!」
「言い訳なんていいわよ!」
「アスカ!」
「…アスカ嘘泣き」
 ビクッと震えるアスカの肩。
「で、駆け出すとシンちゃんが追いかけて、公園か何処かでキスをねだると」
「あ、あたしがそんなことするわけ…」
「じゃあどうしてこっちを見ないの?」
 顔は向けているのだが、目は泳ぎっぱなしになっている。
「そんなことしなくても、添い寝くらいならいつでもしてくれるって、ねぇシンちゃん?」
「い、いつもってのは、ちょっと…」
「なによ、あんたあたしはダメって言うわけ?」
 うう…、やっぱり嘘泣きなんじゃないか。
 逃げ出したい気持ちを何とか押さえる。
「そうじゃなくて…、だってカヲル君がいるんだよ?」
「ならあたしの部屋に来なさい!」
 ビシッと指差す。
「でもって腕枕!」
「…ミズホにバレたら凄い事になると思うよ?」
 あ〜〜〜っと、アスカの指が漂う。
「それと…、こういう事は通学路で叫ぶのは」
 シンジ、レイ共に赤くなっている。
 ハッとするアスカ。
「あ…」
 人垣が出来ていた。
「ばかシンジ!」
 パン!
 なんで僕なんだよぉ…
 その時シンちゃんの涙は、キラキラと光って奇麗でした。
 後にミズホがレイの日記を覗いて地団駄を踏んだと言う一文であった。


 第三新東京市のネットワークシステムは、まさに近代科学の粋を結していると言えるだろう。
 それは都市クラスと言う巨大さからしても見て取れる事だが、それを維持する回線の類は地下空間に網の目の様に張り巡らされている。
 その一角で、異常にラインが集中している場所があった。
 鋼鉄のように黒光りする錐が幾つも連なったような神経を伸ばす者。
 その先は電脳空間へと直結している。
 蜘蛛か何かの巣のようにも思えた、中央には鎖骨から上以外の全てを埋め込んでいる少年。
「もうすぐだよ、兄さん…」
 彼は誰にともなく呟いた。


「V.MAGIの稼働率が落ちている?、どういう事だね」
 報告書を読んだ冬月は顔をしかめた。
「はっ、現在全アクセスポイントを走査中ですが、回線が何者かによって占有されている状態で…」
「碇…」
「ああ、V.MAGIはデータ転送速度の都合上で遅れを取るとはいえ、MAGIと同等量の情報をさばくことができる。
「それだけのデータをハッキングし、さらには処理している者達がいる、これはゆゆしき問題だぞ?」
 しかしゲンドウは態度を崩さず、いつものようにポーズを作る。
「問題無い、既に対処している」
「…碇」
 つい溜め息を吐いてしまう。
「秘密主義も良いが、あまり心配をかけんでくれ」
 ゲンドウはただ口元をニヤリと釣り上げた。


「マナ…、来てないんだ」
 教室を見渡し、ポツリと呟く。
「へぇ〜、シンちゃんってマナに会うために学校に来てるの?」
「ち、違うよ、なに言ってんだよ!、昨日のこと聞こうと思っただけだよ!」
 何故だかムキになって言い返す。
「なにぃ?、本気にならなくてもいいじゃない」
 むくれるレイ。
「レイが変なこと言うからだろう?」
「もしかしてシンちゃん、やましいことでも…」
「だからないってば!」
「どうかなぁ?」
「いいよもう…、信じてくれないなら」
「あ、嘘うそ!」
「ふんっだ!」
 っと席につく。
「シンちゃんたらもう、ちょっとヤキモチ焼いただけなのにぃ…」
「…仲がいいですぅ」
 どこからかミズホの声。
「え?、って、うわぁ!」
 シンジの座席の下だった。
「なんでそんな所に!?」
 いじいじとハンカチなんぞを噛んでいる。
「うう…、だってぇ、今日はまだシンジ様のお顔を拝見しておりませんでしたから…」
「でももう授業始まっちゃうよ?」
「あうぅ…、恋人の逢瀬は短いものですねぇ」
 よいこらしょっと、ほふくで這い出す。
 お尻が「んしょんしょ」と間抜けだったり。
「それではシンジ様、ミズホは、ミズホは〜」
 ハンカチを目元に当てつつ、キラキラと涙を光らせながら走り去る。
「…ミズホ、少女って感じだ」
「って、女の子だってば」
 ぺしっと突っ込むレイであった。







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新世紀エヴァンゲリオンは(c)GAINAX の作品です。

Q'Genesis Qnaryさんに許可を頂いて私nakayaが制作しているパロディー作品です。
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