NEON GENESIS EVANGELION 
 Genesis Q':87 


「うきゅう〜」
 もそもそとお弁当をつまんでいる。
「なんや今日は元気あらへんなぁ?」
「ふきゅう、ですぅ…」
 やはりもそもそと口に運ぶ。
「にしてもやなぁ…」
「おっかしぃんだよなぁ…」
 ケンスケはカメラのチェックをしている。
「異常無し!、でも何にも写ってないんだよなぁ?」
 今まで見ていたテープから前のテープに入れ返る。
 それはミズホの五時間目の様子を写していたはずなのだが、ノイズだらけで何も写っていないのだ。
「いや、写ってないって事はないか…」
 たまに歪んだように結像する。
「なんなんや?」
「多分電磁波かなんかの影響だと思うんだよなぁ」
「はぁ!?、教室にそんなん出すようなもんあらへんやないか」
「そうだよなぁ?」
 しきりに首を傾げる。
 今ミズホを取るためにカメラを向ければ分かっただろう。
 ミズホに向けた時にだけ、画像が歪んでしまうと言う事に。






「ふぇええええええ!」
 今度のミズホは逃げていた。
 穴の中をどたどたと光に向かって。
「待てぇ!」
「待たんかぁい!」
 やはり二人はトランプだった。
「こっちに来ないでくださぁい!」
 両耳を前に引っ張ると…
「きゅう!」
 そのまま団子状に丸くなった、ごろごろと凄い勢いで転がり出す。
 目が回りますぅううううう!
 またも欠陥を発見したミズホであったが。
「ふえふえ〜」
 ぐるぐると目を回しながら、酔っぱらいのようによたつき起き上がる。
「はっ、ここは!」
 ガシッと両足で強く踏ん張る。
 見据えた正面に伸びていく庭園、その向こうにはお城、そしてその手前には…
「アスカさんですぅ!」
 ぴょんこぴょんこと跳ねていくうさぎが見えた。
「はっ!、と言うことはあそこにシンジ様が…」
 慌てるように、ミズホも後を追って駆け出していく。
 お城に近付くにつれて、妙に賑やかになっていった。
 前しか見ていないミズホは気付かなかったが、その髪はどれも青だった。
「シンジ様はどこですかぁ?」
 お城ではパーティが開かれていた。
「あ、ウサギさん」
「ほんとね」
「ウサギさんはさっきも居た」
「ウサギさんは用済み」
「ふえええええええ!、れ、レイさんがいっぱいですぅ!?」
 ここで初めてミズホは気付いた。
 何十人ものレイに取り囲まれている。
「そ、そんな、それではシンジ様は、女王様は!?」
 振り仰ぐミズホ、赤い絨毯が階段まで続き、その上に玉座が存在していた。
 その傍らに立つシンジの姿。
 そして王座には三匹の「猫」を膝に乗せた金髪の…
どぉいうことですかぁ!
 やはり絶叫を上げてしまった。


「…おかしいわね?」
「あん?、なにやってんのよ?」
「ええ…」
 とある中学校の理科準備室…
「この子たちの動きをビジュアル化して見たんだけど…」
「なんだかわたわたと動いてるけど…、一匹だけへぼいのがいるわね?」
 じゃれてる猫のグラフィック、だが一匹だけ「キシシシシ」っと変な笑いをしながら転がっている。
「いかれてんじゃないの?」
「失礼ねぇ、プログラムの問題よ」
「だぁ!、バグってンじゃない、ようするに!」
「わたしがミスをしたというの!?」
 CASPERと言う名前の猫が何処かのアンテナに向かってかなりのデータを送信していた事に気がついたのは、この後ケンカが収まって、随分経ってからのことになるのであった。



続く







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