NEON GENESIS EVANGELION 
 Genesis Q':93 


「そこでなぁんで学校に来ちゃうかなぁ?、お前は」
「うるさいわ、物殴っとる様な音やったんや」
 どうやら三人は同じクラスのようだった。
 席はそれなりに離れている、ケンスケの見立てでは「女の子に囲まれるように設定されている」となる。
「こういうゲームじゃ、そう言う場面では女の子が絡まれてたりするものなの!」
「そうかぁ…、ほな次から気をつけるわ」
「次なんてないよ、同じイベントは二度起こらないの、あ〜あ、そりゃきっとポイント高かったぜ?」
「ポイント?」
「データウィンドウ見ろよ?、星マークが無いか?」
「星?」
「お前…、まだ一人も引っ掛けてないじゃないか」
「引っ掛けるってなんや?」
「お前はぁああああああああ!」
 どうやらゲームのジャンルさえ分かっていなかったようである。
「シンジはどうなんだよ!」
「え?、なにが…」
「かぁああ!、まさかお前までっ」
 髪を掻きむしる様に「やばい」と何かを感じるシンジ。
「一応ポイントは稼いでるよぉ…、お母さんと妹と幼馴染と…」
「定番だけじゃないか!」
「でもさっ、ほら!、あまり手広くやると高得点が押さえられなくて『真のエンディング』とか遠くなるじゃないか」
 必死の言い訳だったが、以外と通じたようである。
「そうか」
 なにか心配になったのかもしれない。
 ケンスケは急に黙り込んだ。
「とにかくさ、イベントを持ってる女の子を早く見切らないとまずいぞ?」
「そうなんか?」
「名前のない女の子を何人引っ掛けても点数低いんだよ、電話番号もあんまり意味がないみたいだし」
「かけて見たの?」
「一応な?、でも定形通りの台詞って感じで、どうも違うんだよなぁ…」
「違うって…、なにがさ?」
「こういうのには「ツボにはまる」って言うか、「狙ってる」ものがあるはずなんだ、シンジ、「お兄ちゃん」とか呼ばれなかったか?」
「あ、うん…」
「しかも八重歯か何か生えてなかったか?」
「…あった」
「つまりそう言う事!、シンジ、絶対にその子、ものにしろよ?」
 数秒の間が空く。
「ええ〜〜〜!?」
「高得点だって分かってて逃すわけにはいかないだろ!、それに何処に敵が居るか…」
「敵…、僕らの敵、そう言えば対戦だもんね?」
「な?、お前の妹、取られちゃうかもしれないぜ」
「ええ〜〜〜!?、そんなのやだよぉ…、あ」
 にたぁっとするケンスケとトウジの視線に口を塞ぐ、が、あまりに遅い。
「聞きましたかケンスケはん?」
「なぁんだかんだ言って好きだよなぁ、シンジも」
「ち、違うよ、そうじゃなくてさぁ!」
「ま、細かい点数は俺に任せろ!」
「こういう時にこそ、お前の真価を発揮せんかい!」
「なんだよそれ!」
「「スケコマシってこと!」」
(そんなの覚えが無いのにぃ…)
 と涙しながらも、胸にざっくりと刺さる何かをシンジはしっかりと感じていた。



続く







[BACK][TOP][notice]


新世紀エヴァンゲリオンは(c)GAINAX の作品です。

Q'Genesis Qnaryさんに許可を頂いて私nakayaが制作しているパロディー作品です。
内容の一部及び全部の引用・転載・加筆その他の行為には
作者である私と原作者naryさんの許可または承認が必要です、ご了承ください。

本元Genesis Qへ>Genesis Q