Evangelion Genesis Real
Evangelion another dimension real:100+
雛祭りか…
シンジは迷っていた。
いや迷わないわけにはいかなかった。
下手な物はプレゼントできない。
殺される…
顔面蒼白。
このところアスカが優しいんだ…
「シンジぃ、洗濯物乾いてたから入れといてあげたわよ?」
…でもたたむのは僕なんだね?(涙)
真実はたたもうとしたミサトのブラに、アスカの嫉妬が暴発していただけだったのだが。
あたしだって!
誰のだらしない顔を想像したのかは別として。
加持さんだけじゃなくてシンジまで取られてたまるもんですか!
「シンジぃ、お米といどいてあげたわよ?」
はは、ありがと…
多分とぎ過ぎてもいけないって事、知らないんだろうな…
純度100%、きらりんと光る水の底に、これまた真珠のように米粒が一つ一つ光っている。
これもまたお米をといでいる間に…
これって奥さんって感じかしら?
旦那様を待って鼻歌交じりに時計を気にする自分を想像して、えへらえへらと自分の世界に入っていたのだ。
手はずっと動かしたままで。
最近帰りが遅くなっても怒らないし…
違う!、遅くなったらアスカがご飯作ってくれてたんだ!
アスカの手料理なんだ!、こんなに嬉しいことは無いよ!
…恐いけど(涙)
どうしても裏を読んでしまうシンジである。
多分、もうすぐ雛祭りだからだ、これは間違い無い。
雛祭り、イコールお姫様の日。
誰だよ、そんな間違ったこと教えたのは!
それがミサトであるのは何となく分かる。
どうして誰もアスカにちゃんと説明してあげないんだよう(涙)
始めは加持だった。
「はは、そういえばそろそろだな?、俺も何かプレゼントしてやるよ、何が良い?」
加持さんまでもう…
みんなそう思ったんだ…、でも。
「ほんと、加持さん!?」
その喜び様があまりにも凄くて…
「誰もほんとのことが言えなくなったし」
しくしくしくしくしく…
「とにかく何かを用意しないとなぁ…」
無気味なほどさり気ない期待の仕方が焦らせる。
「ケンカはしたくないし…」
あの戦いの後、シンジは激しく内側に篭っていた。
それを見かねた女の子が気にかけてくれた。
シンジもそれが嬉しかった、それが例えエヴァパイロットのシンジに対する憧れだったとしても。
急速に近寄っていく二人、しかしアスカには「エヴァパイロットとしての価値」までもシンジに取られたと思い嫉妬した。
「あたしのことはどうでもいいんでしょ!」
せっかく仲直りしたんだ…
いろいろあったけど。
だからここは正念場だった。
なのに…
「ダメかぁ…」
なにも思い浮かばずに、足だけがどんどんと重くなる。
「あー!、こんなとこに居たのね、ばかシンジ!」
「アスカ!?」
シンジはショーウィンドウのミニ雛壇から顔を上げた。
「どうしたのさ?、もう始めてるんでしょ?」
ミサトが居るため、イベントは前後日も幅を入れて「軽い宴会」「本宴会」「締めの宴会」と約一週間は続くのが通例である。
「ばっか!、主役が居なくちゃ始まんないでしょうが!」
「え?、だからアスカが…」
「いいから!、来るのよ!」
えっえっえっ!?
シンジは拉致されるように黒い車に乗せられ運ばれた。
「…こういう、ことか」
そして頬を赤くする。
「はい、シンジ」
「あ、ありがと…」
アスカから杯を受け取る、隣のアスカはお雛様。
ならいま自分がしているこの恰好は…
「ばぁか、このあたしが雛祭りぐらい知らないと思ってたわけ?」
「酷いや、アスカ…」
シンジは赤くなって俯いた、でもそれはアスカの桜色に染まった頬と幸せそうな笑みを見たからで。
恥ずかしいや…
もうシンジには目の前ではやし立てている三人官女(ミサト・リツコ・マヤ)の声も耳に入っていない状態であった。
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新世紀エヴァンゲリオンは(c)GAINAX の作品です。
この作品は上記の作品を元に創作したお話です。