「とにかく!、シンジは隔離保護するからそのつもりで!」
「「「えーーー!?」」」
「「「って、なんであんたがここにいる!?」」」
 碇家の子供部屋に、なぜだかマナの姿まであった。
「へ?、そんなの明日がシンちゃんの誕生日だからに決まってるじゃない」
「それの何処が理由になるのよ!」
 マナは平然とシンジに擦り寄る。
「だってぇ、やっぱり日付が変わった瞬間からぁ、お祝いしてあげたいわけだしぃ」
「人ん家の迷惑考えなさいよ!」
「あら?、お夕食の準備しちゃったから、ゆっくりしていってもかまわないわよ?」
 ニコニコと覗きに来たユイに笑顔で返す。
「ありがとうございます!」
 ユイは再び台所へと、階段を軽い足取りで降りていった。
「おば様、よけいなことを…」
 頭を抱えてしゃがみこむ。
「危険分子が増えちゃったね?、ってことで…」
 ずるずるとす巻きにされた何かを引きずっていく。
「レイ!、あんたシンジをどうするつもりよ!」
「だから安全な所に保管しようかと…」
「バカ言ってんじゃないわよ!、あんたの所じゃよけいに危ないじゃない!」
「なによぉ、カヲルでさえ何もしてないじゃない」
「あんたとじゃ危険度が違うのよ!」
「ひっどーい!、それってあたしの方が危ないって事!?」
「あったり前よ!」
「あーーー!、マナさんなにをしてらっしゃるんですかぁ!?」
「え?」
 気まずげに振り返る。
「あんたなに勝手に人の部屋覗いてんのよ!」
「あはははは、シンちゃんの部屋はどこかなぁって…」
「あんたには関係無いでしょ!」
「あるもん!、だってほら、デートする程の仲だしぃ☆」
 アスカの攻撃対象が変わる。
「バカシンジが、何とか言いなさいよ!」
「もがもがもが…」
 しかしシンジはす巻きの状態…
「あ、さるぐつわ外すの忘れてましたぁ」
 ミズホがす巻きに向かって手を伸ばした。
「ぷはぁ!、酷いよみんな、なにするんだよ!」
「今のあんたは危険過ぎるのよ!」
 どんっと強めに足で踏む。
「ごめんねシンちゃん?、でもシンちゃんがいけないの…」
「そうよ!、簡単に一服盛られたシンちゃんがドジなだけ!」
 シンジは必死に抗議する。
「そんなのないよう、薬を盛ったのはミズホじゃないか…」
「でもわたしは良かったかなぁって…」
「「「反省する!」」」
「…はいですぅ」
 しかしまだ余韻はぬけきったりしないらしい。
「とにかく!、シンジは薬が切れるまで上で待機!、いいわね!」
「良いけど…、せめて縄はほどいてよね…」
「それはどうしようかしら?」
「酷いや…」
「でもでもぉ」
 ミズホだけが覚えていた。
「カヲルさんが帰ってらっしゃったら…」
 ちらりと。
「この状態では…」
「うっ、確かに…」
「危な過ぎるわね?」
「だーいじょーぶ、まぁーかせてっ!、あたしが一緒に寝てあげる」
「こういう時は「守ってあげる」でしょうが!」
「あ、良いんだ?、じゃあそういうことで…」
 とっとと行きかけた首根っこを引っつかむ。
「どちらへお出かけですかぁ?」
 スパンッ!とどこから出したのやら?、その手に扇子が広げられた。
「レイ、足押さえて!」
「あーうー」
 おかしな事を口走るレイ。
「ちょっとレイあんた何やって…、あああああっ!、あんた何ほどいてんのよ!」
 シンジはカッコ良くキリリとして、レイの両手を握っている。
「なんだよアスカ?、ありがとうレイ、君にはいつも感謝しているからね?、こんな僕の側にいつも居てくれて、ぼかぁ幸せだなぁ…」
 ゴン!
 アスカの踵落としが見事に決まる。
 ほどかなければ良かったと、アスカたちは後々後悔する事になるのであった。



続く







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