NEON GENESIS EVANGELION 
 Genesis Q':68 


 そしてシンジは言うのよ…
「おいしいよ、アスカ!」
「そ、そんなにおいしい?」
「うん!、こんなの食べちゃったらもう他のものなんて食べられないよ!」
「本当?」
「本当だよ!、僕はもう、アスカの作ってくれたものじゃないとダメみたいだ…」
「え?」
「アスカ…、好きだよ?」
「ええ!?」
「好きだ、結婚して!」
「嘘!?」
「ホントだよ!」
「で、でも…」
「だめなの?」
「ううん、ダメじゃない!、けど、そんなのまだ早い…」
「でも待ってたらアスカが他の人にさらわれちゃうからもしれないじゃないか!」
「し、シンジ、そこまで…」
「アスカー!」
「シンジぃ、いやぁん☆」
 シンジぃ、食べてぇ!、あたしも食べてぇ☆
「なぁんてことがあるんなら、あたしも身ぃ入れて作るんだけどさ」
 はぁっと溜め息を吐きつつこね回す。
「アスカぁ、あんまり力入れないでね?、卵白使えなくなっちゃうから」
「あのねぇ?、あたしを何だと思って!」
「だからガチャガチャしないでって!」
 ヒカリの檄が飛ぶ調理室。
 こういう時こそ出番だと、妙にヒカリは張り切っていた。
「大体さぁ、今から餌付けなんて遅過ぎるわよ」
「アスカすれてる…」
「え!?」
「男の子ってね?、やっぱり可愛い女の子を守ってあげたいって思う物なの!」
 一瞬乙女チックに目がキラキラと輝いたりするのだが。
「はぁ…」
「何で溜め息つくわけよ?」
 ヒカリは一層深く悩む。
「ノゾミにね?」
「ん?」
「優しいの」
「誰が?」
「鈴原…」
 あ〜…
 聞くんじゃなかったと後悔する。
「鈴原の為にお茶用意したりするでしょ?、その間に遊んでるの!、この間なんて膝の上に乗ってたんだから!」
 余程悔しく思ったのだろう…
 エプロン噛み千切っちゃってまぁ…
 女の嫉妬はかなり恐い。
「ねえ!、アスカはどうなの!?」
「え?」
「碇君!、アスカに優しくしてくれるの?」
「えっとぉ…」
 視線をふらふらと漂わせる。
「あいつがほら、あたしの前でいちゃついてるのなんて、いつものことだし」
「酷い、碇君!」
 ゴォッと炎を背負ったり。
「やっぱり三バカトリオだわ!、女の子だったら誰でもいいのね!」
「一緒にしないでって…」
「アスカはそんなことでいいの!?」
 ガシッと両肩をつかまれる。
「そ、そりゃあ、いいわけないわよ…」
「でしょ?、やっぱりはっきりさせるべきよ!」
 ヒカリぃ、あんた妹に嫉妬してどうするのよ?
 やけに燃えているヒカリと距離を置くように、皆少しずつ距離を置いて離れていく。
 あたしを置いていかないでぇ!
 その垣根のような距離の取り方。
 まるで底無しの泥沼に足を取られた気分になった。


「それで、プラントの位置は判明したのかい?」
 浩一とカヲルは、暗い部屋の中不健康に紅茶の香りを楽しんでいる。
「地下三百メートルと言った所かな?」
 カヲルは怪訝そうに眉をよせた。
「浅いね?」
 左手に持つ皿の上にカップを下ろす。
「やはりこれは電子ネットの上に作ったと見るべきだ」
 浩一は相変わらずだ。
「…適度な電磁波は成長を促進させる」
「やはり彼は死んではいない」
「生き延びた…、と見るのが妥当かい?」
 浩一も溜め息を吐く。
「まさか、生きていたとは思わなかったよ」
 だが浩一は何処か楽しげにも感じているようであった。


「ふぅ」
 その頃、マナは覗きに徹していた。
「…おっさんの着替え覗いてるのもねぇ?」
「おまかせします」
 何処かのアパート、しかし昼間だというのにカーテンはしめっぱなし。
 そのすき間から望遠レンズを取り付けたカメラと、望遠鏡を設置している。
 向こうの安普請のアパートでは、今の時間に慌てたのか?、あの教師が大慌てでズボンを穿いていた。
「あ、テーブルで脛打って転んだ…」
「はぁ…、こんなことが、ほんとにレイのためになるんですかぁ?」
 カップラーメンをすすりつつ、ぼやきに回っているのはマユミだ。
「どうやら無事みたい、やっぱりロデムの治療って効くのね?」
 マナもようやく覗きをやめた。
「ね、マユミぃ…」
「やです」
 隠して、ずずずっとラーメンをすする。
「そんなぁ、キムチラーメン、それで最後でしょう?」
「自分で買って来て下さい」
 ずずずずずっと止めを刺す。
「…友達がいないのね?」
「じゃんけんして買いに出ようって言って上げたのに、奢ってくれないならいらないって言ったのマナでしょう?」
 かなり剣呑な表情をしている。
「もしかして…、怒ってる?」
「当たり前です!」
 何故だか真っ赤だ。
「わたしは男の人になんて興味ありません!」
 言いながら更に真っ赤になる。
 あちゃあ、刺激強過ぎたかなぁ?
 彼がぶっ倒れた後、全身を覆っていた植物状の触手は、どれも硬化してパラパラと剥げ落ちた。
 その後に残ったのは生気を吸われ、やせ細った人間が一人。
 きゃあああああああああ!
 マユミは叫んだ。
 シャツとズボンが破けていた。
 男の裸体、マユミには少々きつかったかも?
 マナはのほほんとラーメンをすすった。


続く







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