Rei's - faction:001
 チュンチュンチュン……
 すずめが鳴く時間帯。
 黒茶色の髪の少女は、二段ベッドを上へと上がる。
 くすっと言う笑みがこぼれた。
 そこに居るのは兄のシンジ。
 寝てるかどうかの確認に、プニプニと頬を押してみる。
「ん……」
 嫌がる姿にまた微笑む。
 美少女とも言えるが「守って欲しい」的なオーラが、どこか「可愛い」と言う幼さを感じさせる。
「お兄ちゃん……」
 そう言って彼女、碇レイは兄の布団へと潜り込んだ。


うわあああああああああ!
 今日も悲鳴で明ける碇邱。
 バッとすずめが飛び逃げた。
「何やってんだよ、レイ!」
 シーツの中に他人を感じる。
「お兄ちゃんの匂いがする……」
 そう言ってギュッと体にしがみつく。
「ななな、何を言うんだよ!」
「これ!」
 パンっとシンジの頭にスリッパ炸裂。
「ふしだらな事は夜にしなさい」
「母さん!」
「はい……」
 ポッと頬を染めるレイに戦慄する。
「ほらぁ!、本気にしてるじゃないかぁ!」
「シンジも妹に欲情してるんじゃないの」
「僕は困ってるんだって……、うっ!?」
 気がつけばレイがじぃっと見上げている。
 潤んだ瞳、すねた口元。
「嫌なのね?」
「あ、ちがう、もう子供じゃないんだからって……」
「ダメなのね、もう……」
「あ……」
 じわっとレイの瞳に涙が溢れる。
「わかったよ!、今日は一緒に寝てあげるから、ね?」
「わかったわ……」
 桜色に染まる頬が恐ろしい……
「じゃ、先に行くから」
「まあ、『先にイクから』なんて……」
「か・あ・さ・ん・!」
 ギロッと睨む。
「……何を騒いでいる」
「父さん!、父さんもなんとか言ってよ」
「ふん……」
 ちらりとレイを見る。
「レイ」
「はい……」
「潜り込む時に服を脱ぐのはやめなさい」
「え?、うわ、うわあああああああああ!」
 シーツがずれると、肢体があった。



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