チュンチュンチュン……
すずめが鳴く時間帯。
黒茶色の髪の少女は、二段ベッドを上へと上がる。
くすっと言う笑みがこぼれた。
そこに居るのは兄のシンジ。
寝てるかどうかの確認に、プニプニと頬を押してみる。
「ん……」
嫌がる姿にまた微笑む。
美少女とも言えるが「守って欲しい」的なオーラが、どこか「可愛い」と言う幼さを感じさせる。
「お兄ちゃん……」
そう言って彼女、碇レイは兄の布団へと潜り込んだ。
「うわあああああああああ!」
今日も悲鳴で明ける碇邱。
バッとすずめが飛び逃げた。
「何やってんだよ、レイ!」
シーツの中に他人を感じる。
「お兄ちゃんの匂いがする……」
そう言ってギュッと体にしがみつく。
「ななな、何を言うんだよ!」
「これ!」
パンっとシンジの頭にスリッパ炸裂。
「ふしだらな事は夜にしなさい」
「母さん!」
「はい……」
ポッと頬を染めるレイに戦慄する。
「ほらぁ!、本気にしてるじゃないかぁ!」
「シンジも妹に欲情してるんじゃないの」
「僕は困ってるんだって……、うっ!?」
気がつけばレイがじぃっと見上げている。
潤んだ瞳、すねた口元。
「嫌なのね?」
「あ、ちがう、もう子供じゃないんだからって……」
「ダメなのね、もう……」
「あ……」
じわっとレイの瞳に涙が溢れる。
「わかったよ!、今日は一緒に寝てあげるから、ね?」
「わかったわ……」
桜色に染まる頬が恐ろしい……
「じゃ、先に行くから」
「まあ、『先にイクから』なんて……」
「か・あ・さ・ん・!」
ギロッと睨む。
「……何を騒いでいる」
「父さん!、父さんもなんとか言ってよ」
「ふん……」
ちらりとレイを見る。
「レイ」
「はい……」
「潜り込む時に服を脱ぐのはやめなさい」
「え?、うわ、うわあああああああああ!」
シーツがずれると、肢体があった。
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