「うう〜〜〜ん」
 身もだえる。
「うう……ここは」
 自分の部屋だ。
「今は寝ていて」
「綾波……?」
「もうちょっとで終わるから」
「そう……終わる?」
「ってなにやってんのよぉ!?」
 条件反射で飛び起きる。
「な!?」
 そしてなぜだかずり下げられてしまっていたパンツを引き上げる。
「なななっ、なにしてんだよ、綾波!?」
 ちくしょうとアスカ。
「レイなんかに先を越されるなんてぇ!」
「へ?」
「それはあたしが……って、え?」
「え?」
「え? あ、あれぇ? ……あたしなに言ってんのかなぁ?」
 ちょっと遅かったアスカであった。


 ジトーッと見るシンジである。
「まったくもう! レイってば、しょうがないわねぇ」
 ジト──……。
「感謝してよね! 重かったんだから……あんた背負って鞄二つ持って」
「で、『あたし』がどうしたって?」
「う」
「本当は綾波じゃなくって」
「ええと」
「うう……アスカ酷いや」
「泣かなくってもいいじゃない!」
 ちっと舌打ち。
「こんなことならシャワー浴びて歯磨きしてからなんて、悠長なことやってんじゃなかったわ」
 ブツブツと恐ろしいことをつぶやいている。
 同じ既成事実をねつ造するにしても……と、余計な羞恥心を働かせてしまった乙女心である──だが。
 フツウはその前段階で発動しているようなものだ……などと、それは決して、間違っても指摘してはならないことであったのだった。

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