THY TEMPTATION 4

 ん、ん、ん、ん、あ!
 もだえる度に、シンジの胸に胸を擦り付ける事になってしまう。
 アスカの先端が、シンジとの摩擦で大きくなった。
 あ、だめ……
 自然と手が動いてしまう。
 その尖ったものをつかみ、掌で揉み潰す。
 円を描くように激しく。
「……ンジ!」
 両手を使っているので体を支えきれない。
「あた、し、おね……」
 お願い、支えて!
 そう命じられた気がした。
 シンジはアスカの脇に手をさし込んだ。
 親指が胸の溝にはまり込む。
 アスカはシンジの首に、頬に、鎖骨に、時折唇にキスをしながら頬を転がした。
「あ……、あ!」
 伸びたショーツのすき間から、ももを何かがつたわり落ちる。
 熱い!?
 それはシンジのズボンを濡らした。
 どさっと覆い被さるようにぐったりとした時、アスカのあそこは再び堅くなったシンジの股間にぶつかっていた。
 はぁ、はぁ、はぁ……
 耳にアスカの荒い息が吹きかかる。
 アスカ……
 シンジはアスカの体に腕を回した。
 ぴくっと反応するアスカ。
 シンジはその反応に、つい手を引っ込めようとした。
 ありがとう、シンジ……
 囁きが聞こえた、空耳ではない。
 だからシンジは手を回し、今度は軽く背中を撫でた。
 ん……
 再びアスカの口から漏れ聞こえたが、それは快感や不快感を伴っていない。
 気持ち良い……
 多分に安らぎがこめられている。
 だからポロッとアスカの頬を涙がつたわり落ちた。
「アスカ、泣いてるの?」
 シンジの頬と髪をも濡らすほどの涙だった。
 心配げな、気づかうようなシンジの声に、ぐっと来る。
「あた、あたしも……」
 その声に一気に感情が吹き出した。
「こんな女よ!、こんな姿を見せたらシンジが逆らえなくなるって知ってるのに、あたし!」
 あ!
 シンジの腕に、さらに力がこめられた。
「悪いのは僕だ!、アスカにここまでさせてる僕なんだ!!」
 人を信用しようとしない僕なんだ!
 シンジは吐き捨てるように叫んだ。
「シンジ……」
「アスカは奇麗で、その……、可愛くて、みんなに尊敬されて、敬われてて、頭も良くて……」
 段々と自虐的になっていく。
「とても……、僕なんかじゃ」
「なら、自分のものにしたいと思っているの?」
 シンジは抱きしめたままで頷いた。
「ふふ……」
 アスカ?
 アスカは力の抜けていた腕を、緩慢な動作で動かした。
「……濡れちゃったわね?」
「あ、うん……」
 アスカのショーツの染みが。そのままシンジのパンツにも移っていた。
「奇麗にしてあげるわ……」
「え?、あ、だめだよ!」
 アスカは半分だけ体を浮き上がらせると、シンジのズボンを降ろそうとした。
「ダメだってば!」
「あたしが汚したんだもの、責任はあたしに取らせて……」
「でも……」
「あたしが、奇麗にしてあげる……」
 それが汚れるって事なら、それでもいいわ。
 アスカはシンジに微笑んだ。
「シンジの汚れを、拭き取ってあげる」
 そしてアスカは、シンジの股間に顔を埋めた。


 耳を押さえていても、否応無しに声が聞こえ入って来る。
 いや、碇君!
 レイの手が、何かを求めるように胸をまさぐる。
「あ……」
 赤くなるレイ。
 碇君……
 しかしレイは切ないあえぎを漏らすだけだ。
 碇くぅん……
 レイはまだ、火照りを沈める方法を知らなかった。


 アスカはシンジに腰を浮かせるよう命令した。
「だめだってば!」
 しかし言う事を聞かなかったので、多少強引にずり下ろした。
「痛っ!」
 パンツが何かに引っ掛かった、強引にずらされたのでパンツが脱げる一瞬痛かった。
 やだ!?
 その時の反動で、まさにそれは「飛び出して」来たように見えた。
 シンジ、ちゃんと奇麗にしてるんでしょうねぇ!?
 部屋の状態に不安になる。
 毎日お風呂を強要してはいるのだが、洗っているかどうかはかなり怪しい。
 でも、この時のために入れって言ってたんだから……
 いつでも襲って来てね?
 アスカはそう言っているつもりであった。
 結局あたしが襲ってるんじゃねぇ……
 シンジの根元に手をかける。
「やめ、アスカ!」
「いま……、奇麗に拭いてあげるから……」
 アスカは先端の割れている所をつっと舐めた。
「うあ!」
 もだえるシンジ。
「……動かないで」
「やめてよ!」
「奇麗にできないでしょ?」
 あたしだって、こんな近くで見るの、初めてなんだから……
 シンクロテストの内容によっては、お互い裸を見てしまうことはあったのだ。
 はぁ……、思えばあれをネタにしてたんでしょうねぇ……
 大丈夫なのかしら?
 アスカは怖々と、シンジの「皮」を引っ張って見た。
 う、わ……
 変な風にめくれていく。
 こんな風になってるのね……
 矢印のようにも見えた。
 アスカ、行くわよ!
 かり首の所を唇ではむ。
「ダメ!、アスカやめて!!」
 シンジは本気でやめさせようとした。
「だめよ?」
 するとアスカは体を入れ替えた。
「うわ!」
 気がつけば、視界はアスカのショーツで埋まっていた。
「奇麗にしてあげるって、言ったでしょ?」
 アスカは思い切って、シンジのそれを咥え込んだ。


 レイは横になって転がっていた。
「碇、君……」
 何をどうしていいのか分からずに、ただ壁の向こうの声に神経を集中させていた。


「アス……、カ」
 息も絶え絶えのシンジ。
 ぺろ、ぺろ、ぺろ……
 アスカのぎこちない動きが続く。
 これで……、いいのよね?
 細かいことは分からない、アスカはシンジの首から先端の部分までを、丁寧に舐め上げる以外のことはできないでいた。
 う、あ……
 そしてシンジはシンジで困っていた。
 この匂い、なんだろう……
 何だか生臭い匂いがする。
 アスカだ……
 それがアスカの股の間からの匂いだと気がついた。
 あ、ダメだ、ぼく、うあ!
 シンジは思わずアスカのお尻に手をかけた。
「え?、シンジ!?」
 離した口元を、シンジのものが追いかけるように突き出されて来た。
「きゃ!?」
 急だった、まるでキスをするようにアスカの唇に触れて来た。
「うあ、あ!」
 アスカの下半身に抱きつき、爪を立てるシンジ。
 そして呆然とするアスカ、突然広がった生臭い香りとべたつく感触。
 これ……、嘘?
 鼻先のものを指に取り、軽くこすり合わせて気がついた。
 真っ赤になってしまう。
 あたし、顔にされちゃったの?
「はぁ、はぁ、はぁ……、うっぷ!」
 荒い息をついているシンジの顔に、急にアスカのお尻が押し付けられた。
 あ、アスカ!?
 息ができなくてもがくシンジ。
 アスカはシンジの顔の上に、ぺたんと座り込んでいた。
 その目に映るシンジの三本目の足が、見る見る間にしおれていく。
 自分ばっかり……
 アスカはちょっとだけ意地悪を思いついた。


 わからない、わからないの、碇君……
 荒い息をつく、レイは火照りを感じていた。
 熱い……
 それがどこから広がっているのか?、気がつくのにそう時間はかからなかった。


「シンジ……」
「あ、アスカごめん!」
 アスカの顔にはべったりと白いものが付いていた。
 それが鼻先から顎を伝って、胸の谷間へとたれている。
 シンジは転がっていたティッシュの箱に手を伸ばそうとした。
「アスカ?」
 その手首を押さえつけられた。
「あんた……、バカ?」
 アスカは口の周りだけ舐め取った。
「あんたがやったんでしょ?」
 そして舌先を見せる。
「あんたが奇麗にしなさいよ」
 シンジはその濡れた舌先に生々しさを感じた。
「そんな、どうやって……」
 アスカは指で、おへそにまで流れそうになっていたのをすくい取った。
「ほら……」
 その指をシンジの口へといきなり突っ込む。
「奇麗にして」
 うわ!
 シンジはもがこうとした、だがアスカの素早さには叶わなかった。
 シンジの両手首を固定し、重いお尻をお腹に乗せる。
「こうして、奇麗にするのよ?」
 くちゅくちゅと音がする。
 シンジの口を使って指をしごく。
 シンジの舌、ざらついてるわね……
 アスカは指を引き抜いた。
「アスカ……、許して」
「だめよ、ほら、起きて……」
 シンジの体を抱き起こす。
「あ……」
 シンジはアスカを膝の上に座らせることになってしまった。
 シンジのものは、アスカのお尻の割れ目に挟まっいる。

 アスカと同じように、モジモジと腰を動かすシンジ。
「ほら……、早く」
 アスカは喉笛をシンジに見せた。
 シンジは本当にするの?、と目で訴える。
「あんたが汚したんじゃない……」
 その一言は、シンジを激しく傷つけた。
「わかったよ……」
 おずおずと舌を突き出すシンジ。
 アスカはゆっくりと目を閉じる。
 ぺとっと舌が着いた瞬間、シンジは生理的な嫌悪感から吐き気を催した。
「うっ!」
 離れようとするシンジ。
「だめよ!」
 アスカはシンジの頭を抱いた。
「あんたは汚くない!、あたしは汚れてない!、シンジはあたしを汚してなんていない!」
 アスカはそれを悟らせようとした。
「もしそれでも汚いって言うんなら!、あんたが奇麗にしてくれなきゃ……」
「アスカ?」
 アスカは膝立ちになって、悲しげにシンジを見下ろした。
「他の誰が、奇麗にしてくれるって言うのよ?」
 誰?
 他の誰か?
 アスカがいる。
 汚くなんて無いよ。
 囁くシンジがいる、でもそれはシンジとは全くの別人だ。
 そんなの、嫌だ……
 僕以外の誰かなんて、そんなのは、嫌だ……
 強烈なまでの感情に支配される。
 にこっと微笑むアスカ。
 それでいいのよ……、それでね?
 アスカ……
 シンジは離れて欲しくないと言う気持ちで一杯になった。
 アスカ……
 だからシンジは、おずおずと手を伸ばしていた。



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新世紀エヴァンゲリオンは(c)GAINAX の作品です。
この作品は上記の作品を元に創作したお話です。