「ごめんねレイちゃん?、お休み貰っちゃって」
目の前に立ったヒカリにレイは目を伏せた。
「コダマに喜んでもらおうと思って、碇君に一人で来てもらったの、でも碇君レイちゃんのことが心配みたいで」
え?
「もうすっごくレイちゃん、レイちゃんって……、コダマ妬いちゃって」
お兄ちゃん……
頬が赤くなる。
肌が白い分、リンゴのように真っ赤になったのが良く分かった。
「なんやと!?」
「鈴原?」
やたらと慌てている。
「シンジと渚がケンカしてるって!」
「!!」
がたんと立ち上がるレイ。
「渚ってどこぞの格闘技習ってたはずだろ!、シンジがやばい」
ケンスケに押されて、二人も一緒に教室を出た。
自分に馬乗りになる少年に、カヲルは冷静な評価をしていた。
本当はわかっているんだろう?、君もレイちゃんが好きだと言う事に。
口の中に血の味が広がっている。
シンジは暴走気味に残された拳を振るっていた。
ゴ……
カヲルの顔を外れ、床を打つ。
何発かに一度は外れて、拳の皮をめくっていた。
シンジの鍛えられていない拳は、容易、かつ簡単に擦り切れ血を流していた。
「お兄ちゃん!」
その声にハッとする。
「レ、イ……」
シンジの瞳に正気が戻る。
「碇君、やめて!」
ヒカリも抱きつき引きはがす。
「大丈夫か渚!」
「えらいボロボロやないか……」
予想外のことに唖然とする。
カヲルは腫れ上がった顔を歪めて答えた。
「少々いきすぎたからね?、自業自得さ」
「何をしたんだ?」
「レイちゃん」
カヲルの呼び掛けにピクッと反応する。
「レイ……」
シンジは心配そうに見た後、カヲルを睨み付けた。
「もう、いいのかい?」
レイは赤くなってうつむく。
「生理、初めてだったんだろう?」
「へ?」
真っ赤になって小さくなるレイに、シンジはキョトンとしてしまった。
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