「へぇ、そんなことがあったのねぇ……」
ズズッとお茶をすする、山のようにあったコロッケは無くなっていた。
「それでミサト先生が僕と洞木さんの仲に嫉妬したレイをカヲル君と巡った痴情のもつれとか言い出して、レイもレイで浮気ものの一点張りだし」
「問題無いわ」
「あったじゃないか!」
「お兄ちゃんは、命をかけてわたしを守る人……」
「それを思い出させたって事?」
「いや、さすがにそこまでするかは……」
「でも渚君とケンカしたんでしょ?、渚君って無茶苦茶強いって……」
「あの時は何がなんだかわからなくなってたからね……」
「あっ!、だから渚君とケンカできるの、シンちゃんと鈴原君だけって……、あれ?」
「なに?」
「じゃあ鈴原君ともケンカしたことあるの?」
「直接は無いよ……、でもトウジってああだからね?、曲がった事が嫌いだから良くケンカするんだ、で、僕だけなんだよ、それを止めてるの」
「粗暴」
「トウジは男らしいって言わないと怒るよ?」
「無神経」
「はぁ、まあいいけど……、綾波?」
「素敵……」
「は?」
「じゃあ第二ラウンドは鈴原君との愛と友情の夕日が原の決闘なのね!」
「なんだよそれ……」
「バカ?」
「もう!、なんでそうロマンが無いの!?」
「……そんなのにロマン求めないでよ」
「シンちゃん面白くなぁ〜い!、結婚の約束だって忘れちゃってるしさ?」
「けけ、結婚!?」
「わたしもしてもらったもの……」
「そ、そうだっけ!?」
「約束は、約束……」
「そうそう!」
「無茶言わないでよ!、僕たち兄妹だよ!?」
「大丈夫大丈夫!、黙ってりゃわかんないもん」
「そうね……」
「そう言う問題じゃあ……」
「特にあたし!、ほら、一応親戚の子供だしぃ」
「ずるい……、代わって」
「い・や」
「同じ顔だもの、問題無いわ」
「レイちゃんには渚君がいるじゃなぁい」
「あの人、ホモだもの」
「へ?」
「だから平気なの」
「あ、あっ、そう……」
「二人とも、もうやめよぉよ〜」
シンジは頭痛を堪えて頭を抱えた。
結婚?、結婚の約束……
何故だか隅に、夢で見た赤い髪の女の子が引っ掛かっていた。
続く
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