Rei's - faction:028
 シンジはぼうっとしながら考えていた。
 ……あの赤い髪の女の子。
 知っているはずなのだが、思い出せない。
 あっちは加持さんなんだよな?
 グレーの制服の青年。
 そう言えば、あの後「ああ言えば女の子って泣きやむんだなぁ」って思ってたっけ。
 くすくすと笑みを漏らす。
 それでなんだか女の子の顔が赤くなるから面白くって……、ま、みんな覚えてないだろうけど。
 覚えている数は意外に多かった。


「それってアスカのことじゃないのか?」
 からかいが一段落した所で、幼馴染らしい少女の話に戻った。
「アスカ?」
「あ、そやそや!」
「ひっどぉい!、碇君の隣の家だったじゃない!」
「……そうだっけ?、レイ、覚えてる?」
 裏切るように頷かれる。
「う、そうなのか……」
「ふぅん、そんな子が居たのかい?」
「小学校の低学年で引っ越したはずや、綾波も知らんのとちゃうか?」
「うん」
「そっかぁ……、加持さんと仲良かったと思ったから、聞きに行こうと思ってたんだ」
「なんやそやったんか」
「それならみんなで行こうぜ?」
「ええ!?、なんでみんなで……」
「阿呆!、加持さんのことや、なんぞおもろい話聞けるかも知らんやろ?」
「う、うん……」
 ヘッドロック状態で、男同士の会話を進行させる。
「ほなそういうことやさかい、女連中は仲ようごくろうさんっちゅうこって」
「え〜?、あたしも行くぅ!」
「鈴原達だけじゃ、絶対迷惑かけるでしょ?」
「……お兄ちゃん」
 何故だか最後の呟きに、一番説得力が篭っていた。



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