「しかし、本気でネルフと事を構える気なのですか?、戦略自衛隊は」
 発令所へと顔を見せたゲンタは、信じられないと声を上げた。
「ネルフはれっきとした国連の一組織なのですよ、それに、諮問しもん機関という言葉を知らないのですか?」
「知らんのだろうな」
 珍しくゲンドウが直接相手をした、いや、そもそも彼と冬月が立つこの最頂上部へと招き入れていること自体、異例中の異例なことなのである。
「それで、ネルフとしては?」
「日本政府からも正式に出動要請が届いている、ならば規程通り、排除するまでだ」
「排除……、戦闘を行うと?」
「相手がその気である以上、やむをえまい」
「子供に人殺しをさせるつもりなのか!?、やめさせろ!」
「……今はその可能性もあると口にしているまでだ、第一、あちらはやる気だ、ならば相応の返答を行わねばならん」
「返答だと?」
「そうだ、日本語には日本語で、英語には英語で、そして暴力には暴力で応じる」
 だから出方を待つと言う。
「まずは、相手がどのような言語を操る『人種』であるのか、それを見定める」
「それが専守防衛というものだからなぁ」
 ゲンドウの言葉を補足するコウゾウに対しても、ゲンタには絶句することしかできなかった。


NeonGenesisEvangelion act.61 『彼女の受難 起の章(3)』


 時を同じくして、ゲンタ同様に唖然としている子供たちが居た。
「……」
 まさに間抜け面を晒して見上げている、ここは技術部が占有している作業用格納庫だ。
 リツコ直属という、技術開発部三課が占領している格納庫へと呼び出された二人とおまけは、そこにあったものに呆然として我を忘れていた、それほどまでに、インパクトのあるものだったからだ。
「なによ、これは……」
 口火を切ったのはアスカであった、アスカの隣にはカヲルが居て、レイ=イエルが居る、その向こうで誇らしげにしているのはリツコだった。
「ドリル……」
「ドリルだねぇ……」
「じゃなくてぇ!」
 アスカの突っ込みを無視し、冷静に説明をしていく。
「柄の左側側面に出ている棒が固定用、柄の尻にあるTの字状ものはお腹に当てるの、そうして目標に突き刺してから、右側のハンドルを回して、ぐりぐりと……」
「そういうこと聞いてんじゃなくてぇ!」
「そうそう」
 うんうんとレイ。
「なんで手動式?」
「あら?、だってこのサイズじゃ、岩塊を掘削するのほどの回転を生み出すモーターなんて、作るだけ不経済じゃない、それならいっそのこと」
「ちっがーう!」
「おおっ、まもぉー!?」
「それもちっがーう!、なんでこんなものがあるのかって聞いてんのよ!」
こんなこともあろうかと!作っておいたに決まってるじゃない」
 アスカは呆れた。
「馬鹿?」
「……技術部だもんねぇ」
 うんうんとレイ。
「あたし知ってるぅ、垂直式使徒キャッチャーとか言ってぇ、釣り竿作ってるの」
「……そういや、D型装備に耳付けて喜んでる人も居たっけ」
 そしてカヲルが呟いた。
「マモーを知っているとは、やるね、アスカちゃん」
 それも違う。
 ああもうとアスカ、しかし結局は拒否をしたりはしなかった。
 確かに対使徒戦でもっとも有用な兵器は鈍器である、それを発展させたと考えれば、このようなものも『あり』なのかもしれない。
 機械的なシステムを省けば、ドリルの構造は角と柄とハンドルだけの、実にシンプルなものになる、後は摩擦で溶けないように、硬度を追求すれば、それで良いのだ。
『プログレッシヴナイフ』、技術開発部はその刃を微細運動させて、発熱させることに成功している、それこそ、鉄をバターのように切り裂けるほどに、細かに、そして早くだ。
 これに比べれば、ただ硬度だけを追求するなど、実につまらない作業であっただろう。
「でも、その研究から、エヴァのサイズでの刀剣の開発にまでこぎつけたんだから、侮れないね」
 二人はエヴァのケージへと移動した、輸送準備のためである。
「気に入らないのかい?、この作戦が」
「あんたとペアだってのが、一番ね」
 冗談なのだろう、アスカはつまらなさそうに口にした。
 今回のミッションにおいて、アスカとカヲルが選ばれたのは、消去法よるところが大きかった。
 手元に残すことを考えた時、フィフスは考えられなかった、恐いからだ。
 とても命令などできるものではない、従わせることもできない、それに旧東京でのことがあった、命令を聞かないどころか、彼は意図的にエヴァを暴走させることができるのだ。
 それとは反対に、咄嗟の機転、判断能力、そして対処技能を考えたならば、それはアスカ以外には考えられなかった。
 そんなわけで、シンジとレイが残されることに決まったのだ。
「どう見たって、アタシ、アンタのお目付役じゃない……」
「もっとはっきりと言ってくれて良いよ」
 意地悪く。
「葛城さんは、君ですべてを片付けたいんだろうね、僕はついでさ」
「ミサトが?」
「この編成は、葛城さんの案だそうだよ、彼女は僕を信用していない、そして同じくらい、君を信じているんだね」
 アスカは恨めしげな目を向けた。
「アンタらのせいで、便利に使われてる気がする」
「優れているのも、善し悪しだねぇ……、なんだい?」
「アンタが言うと、なんだかいやみったらしいのよね」
「それはヒガミというものさ」
 顎に手を当ててふふんと、そんな態度にげぇっとなる。
 回収とか、捕獲とかという言葉には嫌な想い出があるアスカである、だからこそ彼女は苛立っていた。
 そもそも、『前回』とは違うのだ、なによりも自分が変わってしまっている、だから考えなしに従うことができない。
 どうしても、意義とか意味とかを考えてしまう、求めてしまう。
 そうした時に、この作戦に対して、有用な『言い訳』が導き出せないのだ。
「ああもう、面倒臭いのよねぇ」
 いっそのことと、物騒なものを窺わせる。
「戦自との戦闘に持ち込んで、どさくさ紛れに、とかやっちゃおうかな?」
「でも、下手な攻撃では、『あれ』はどうにもできないんじゃないのかい?」
「割れないかな?」
「割れたからって、倒せたかどうかは、判断がつかない、違うかい?」
 ドリルだけじゃなくて、『スリコギ』もいるかなと考える。
 アスカは、ああと刹那的な声を発して、壁に手をつき、うなだれた。
「めんどくさぁ……、ほんっきで、たまんないわね」
「そうかい?」
「やっぱさぁ、どかぁんといっちゃわない?、ほら、この間の剣、アンタが来てくれるんなら、やれるんでしょう?」
 そりゃあねと、カヲルは周囲に目を走らせた。
 聞き耳を立てている輩がいないことを確認する。
「だからと言って、絶対に僕が必要なわけでもないよ」
「どういうこと?」
「あれは弐号機にのみ……、持つことが許されている特別な剣なのさ、でも君には、いや、人間には水や空気、炎と言った、漠然としたものを具体的にイメージできる能力が無い、あれはイメージに沿って実体化するものだからね、威力の程も」
 もちろん、修行でもすれば話は変わるよと、カヲルは付け加えた。
「そう……」
 アスカが気になったのは、弐号機にのみと口にした後の間だった、何か言い直して護魔化した、そう感じられたのだ。
 弐号機の正体を明かそうとしたのだろうかと、首を捻る。
「……アンタがいないとってのは?、アンタの補助がないとってこと?」
「そうだね、ATフィールドと呼ばれるものは、位相差から生まれる障壁だろう?、つまり、エヴァのこちら側と向こう側では、そこに『在る』だけで巨大な質量差があるんだよ、こちらにあるものを向こう側へと持ち出せば、それだけで爆発的に巨大なものになる、後はそれを握り締めて御せるかどうかなんだけどね、シンジ君の『光』のことを覚えてるかい?」
「ええ」
「あれも根本的には同じことだよ、初号機が『佇んでいる』空間の空気みたいなものを放出しただけであれだけの騒ぎさ、『僕達』は生まれた時から慣れ親しんでいるからね、扱いには長けているけど……」
 アスカはふうっと息を吐いた。
「安易に頼っちゃいけない力だってことね」
 そうだねと微笑する。
「実際、あれに対抗できるのは、レーヴァテインくらいなものだからね」
 アスカは怪訝そうにした、訊き慣れない発音だったからだ。
「レーヴァ……、なに?」
「レーヴァテイン、北欧神話に出て来る炎の剣のことさ、知らないかい?、傷つける魔の杖と言って、ロキが作ったんだよ、まあ、ただの比喩的表現だから、実在するわけじゃないよ、伝説級の武具が必要だと、そう言いたかっただけさ」
 ふうんとアスカ。
「そういや、あれ、この間、万分の一の威力とか言ってたっけ?」
 そうだよとカヲルは答えた。
「最大でも、セカンドインパクトクラスの衝撃を生み出すのがやっとだからね、大したことはないさ」
「大したことはないって……」
「だってそうだろう?、シンジ君なら、この星を消すことだって容易いんだよ?」
「あ、そう……」
 げんなりとしたアスカに、カヲルは冗談で付け加えた。
「そう落ち込むことはないさ、使い方によっては、この星を砕くくらいのことはできるんだから」
「どうやってよ……」
「簡単なことだよ、連続して使えば良い」
「はい?」
「あれは『剣』だからね、剣が一度や二度振ったくらいで使い減りするかい?、その上あれは神の剣だよ?、折れるはずもない」
「……でも消耗してるんでしょう?」
「ちょっと前に、余りにも堅い盾を切り裂いたからね」
 ──アダム、そのATフィールドを。
「今は刀身を鍛え直している最中なのさ」
「……ま、どうせアタシには使えないものなんだから、いいけどね」
 カヲルはそんなアスカの態度に微苦笑を浮かべた、確かにそれはその通りで、人間であるアスカに、あの力を引き出すことはできないからだ。
「でも、今は欲しいわ、ぶっとばしてすっきりして帰りたいもん」
「それは困るんだけど」
 苦笑して、話しかけたのはホーリィだった。
 驚く、どうしてこんな場所に居るのかと。
「忘れたの?、あたしはチルドレンの監督なんだって」
「それはそうだけどさ」
 制服にも見えるパリッとしたスーツが違和感を誘う。
「その格好は?」
「頼まれたの」
「頼まれたって?」
「現場監督」


「で、どうだった?」
 その、彼らが向かうはずの現場のことである。
 車で大人しく待っていたマヤだったのだが、彼女は肩をすくめる仕草に、落胆をした。
「やっぱり、聞いてももらえなかったの?」
 マコトは黙って、車内に入った、ドアを締めて、ボタンを押す。
 これで完全にシールドされる、何を話しても外に漏れることはない。
「どうもこうもないね、取り付く島もないよ」
「そう……」
 ポットを取り出し、こぽこぽとお茶を器に注ぐ、マコトはそれを受け取りながら、さらに愚痴った。
「取り次ぐなとの命令です、とさ、何度行っても同じ返事だよ、下手に強気を見せると、銃をちらつかせてくるしね」
 まさかとマヤ。
「テレビ局だっているのよ?、撃ったりはしないんじゃ……」
「でもその目の前で、押し問答やってるんだぜ?、脅すだけでも問題になるって、分かってないはずがないよ」
 レポーターにも食いつかれて、大変だったとマコトは語った。
「報道関係も必死だよ、俺達ネルフについても、情報が欲しいらしいからね」
「制服で来たのは、失敗だったかな……」
「これ、目立つからなぁ」
 大袈裟にぼやいて、窓の外を見る。
 地肌剥き出しの山肌に、幾つも繋ぎ合わせた幌がかけられていた、そうして異相体を隠しているのだ。
 マコトはそれを眺めてから、良く掘ったもんだと感心した。
 山を一つ削り壊して、この物体を掘り起こしたのだ、宝探しと考えれば、その熱意も理解できないではないのだが……
「居ない間にね、葛城さんから、連絡があった」
「葛城さんから?、帰って来たの?」
「アメリカからの転送じゃないかな?、報告は全部回してくれって、後は……、なんだっけ?」
 この場に他の人間が居れば、なんだっけじゃないだろうと突っ込んだだろう。
 重要な伝達事項を、悪びれもせずに忘れないで欲しいと。
「あ、そうそう」
 パンと手を打つ。
「なんでシンジ君のパーティーのこと、教えてくれなかったんだって、怒ってた」
 溜め息一つ。
「こっちはそれどころじゃないってのに」
 キャンプ場に展開している、戦自の駐屯部隊。
 いくらネルフの預かりになったと説明したところで、彼らは譲ろうとしない、ここは日本の領土であると。
「シビリアンコントロールって言葉も、あったのにな」
 それを外れた超法規的に動ける戦力こそが戦略自衛隊であるのだから、非常にタチが悪いだろう。
 馬場一等佐は、そんな言葉を耳にしたわけでもなかろうに、ふんと鼻を鳴らして、制帽を目深に被り直した。
「外野がうるさくなって来たな」
 もちろん、マスコミのことである、彼にとっては、蝿にも等しい存在らしい。
「ネルフの連中は、まだいるのか?」
「はっ!、連絡を取っている様子はありませんが……」
「ネルフだからな、うちの装備では安心はできん、誰か張り付けておけ」
「はっ!」
「陽動は……、必要か?」
 ……彼は不穏当なことを口走った。


 ホリィが注意事項の伝達を受けている間にも、アスカとカヲルは密かなやり取りをかわしていた。
「どう思う?」
「どうって、なにがだい?」
「ホリィよ、決まってるじゃない」
 カヲルはひとつ、頷きをくれた。
「そうだねぇ……」
「ね?、変じゃない……、ホーリィは正式な職員じゃないのよ?、言わば顧問だもの、そんなのを作戦部のトップの代理に?、おかしいじゃない」
「何の権限もないわけだからね」
「それ以前に、子供よ?、子供!」
 ふむ、とカヲル。
「まさかとは思うんだけどね」
「なによ?」
「葛城さんの差し金かも」
「差し金?」
「嫁と姑ということさ」
「ああ……」
「後から来たのに、大きな顔をしていて、面白くないってね」
「嫁いびりってことね?」
「そうだね」
「まあそれは冗談としても」
 アスカは口にする。
「普段の戦闘じゃ、口出ししてくるから鬱陶しいけど、こういうオペレーションじゃ、ミサトの方が安心できるのよね」
 確かにと同調を示す。
「僕達が望んでるのは、サポートしてくれる人であって、指揮者ではない、戦闘はフォーメーションを設定し、ターン制で行われるテレビゲームとは違うからね、けれどそれは戦闘が始まってからの話で、事前と事後については、想像力豊かな人ほど必要になる」
「……有能なのは、その部下だって話もあるけど」
 遠慮することなく口にする。
「ホーリィには、やっぱまだどこかに不安があるのよね、戦ってる最中は、こっちの意図とか、空気とか、間ってものを読んでくれるでしょうけど、やっぱり経験とか、知識面での不備は目立つもの」
「マニュアルや、資料を読みながらできる仕事ではないからね、あの人のように、『知恵袋』を手に入れていれば、別なんだろうけど」
「知恵袋?」
「赤木博士のことさ、違うかい?」
「そうね」
 さしずめミサトはセコンドで、リツコがドクターかと一人ごちた。
「嫁と姑なんて、単純なイヤガラセじゃないんだろうけどさ……」
 その意図は?、目的はとカヲルに訊ねる。
「僕に訊かれてもね……」
「じゃあ、誰に訊けってのよ?」
「それはもちろん、当人じゃないのかい?」
 ちょうど程よく、二人にもミサトからの通信が転送された。


 アスカの問いに対するミサトの答えは簡潔だった。
 彼女に政治的なやり取りに対する期待はしていない、期待しているのは、目だと言う。
 ホリィの目に、戦自の人々はどう映るのか?、それによって態度を決めたいのだと言う、確かに彼女の目には、はったりは通じない。
「本部長、部長、次長、課長と続いてくわけだけど、その大半が、ね」
 第一次会戦にて、殉職していると言うのだ、下手な人間では、その代役は務められない、それならば、人物眼の代わりになる能力を持った人間を登用し、補佐として付け、少しはマシにしておきたい。
 それがミサトの考えだった。
 ──そして、時を同じくして。
「ま、しょうがないんじゃない?」
 放課後を迎えた碇シンジが、アイスを舐めながら、残る二人を慰めていた。
 道端、ガードレールに腰かけて、その正面には落胆している二人がいる、もちろん、トウジとケンスケである。
「なんでや……」
 先に唸ったのはトウジであった。
「なんで一人も引っ掛からんのや!」
「俺たちはよくやった、よくやったよ!」
「ケンスケ!」
「トウジ!」
 がしっと抱き合い、男の友情を深め合う。
「馬鹿みたいだ」
 シンジはそっぽを向いて知らん振りを決め込んだ、仲間になりたくなかった、しかしそんな真似は許されなかった。
「ちーちーちー」
 妙な舌打ちが耳に触った。
「相田はん、聞きましたか?」
「ええ、聞きましたとも」
「余裕かましてまっせ、このセンセぇは」
「さっすが、女ったらしは、余裕が違いますなぁ」
 シンジははぁっと溜め息を吐いた。
「なんだよもぉ、拗ねるなよなぁ」
 おおっと驚く二人である。
「……否定しおらんで、こいつ」
「ちくしょー!、なんで世界はこうも不公平なんだー!」
 人通りの激しい場所で喚くのだからタチが悪い。
「……いくら叫んだって、紹介なんてしないからね」
「「うぐっ!」」
 どうやら図星であったらしい。
「ところでオタクら」
「「うわっ、綾波!?」」
 どこから沸いて出たのか、レイ=イエルである。
「なに遊んでるの?」
 ねぇねぇと、指を咥えてうらやましげに。
「まぜてよぉ」
 これに反発したのはトウジであった。
「あかん!、今日は男の集まりなんや!」
「そうだ!、今日の俺達は熱い友情を深めるために」
「なに買ったの?、レイ」
「ちょっとねぇ」
 さくっと無視して、がさがさと紙袋を漁る。
 中から取り出したのは、首輪であった。
「なにそれ、ペットでも飼うの?」
「違う違う、フェイがぁ、こっちに来たいって言うからぁ」
「フェイが?」
「うん、だから首輪つけとかないと、保健所がうるさそうだしぃ」
 シンジはちょっとだけ想像してみた。
 ──二メートル前後はある、巨体の獣、首輪付き。
「……管理人さんが許してくれるかなぁ?、町内会もうるさそうだけど」
「ああ、それは大丈夫、ジオフロントに森があるでしょ?」
「あそこで飼うの?」
「うん」
 と頷き、ようやく二人は怪しげな会話に気がついた。
「聞きましたか、ケンスケはん」
「おおう、首輪つけて、飼うだなんて」
「外道や、鬼畜やで」
「今度も金髪に違いない」
 はぁっと溜め息を吐いてシンジは言った。
「フェイは、確かに金髪だけどね」
「おおおおおう!」
「やっぱりぅ!」
「でもジオフロントって大丈夫なの?、怒られない?」
「だまっときゃ良いんじゃない?」
「そんな適当な」
「それに」
 さらっとレイ。
「あそこには……、いろんな『ケダモノ』がいるからねぇ」
 大丈夫じゃないと、くり返した。



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新世紀エヴァンゲリオンは(c)GAINAX の作品です。
この作品は上記の作を元に創作したお話です。